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2006年5月

2006.05.30

『黒と茶の幻想』

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YNACのサイトでも市川が取り上げているので、すでにご存知の方も多いと思います。屋久島(Y島)を舞台にした、恩田陸の名作です。文庫版がでました。

屋久島が舞台というより、屋久島に旅行に来て、一日ずつあちこちの森を歩いてフェリーで帰る、という旅行を枠組みとしたストーリー・・・、いや、ストーリーというストーリーではないんだな~。まあ、ネタバレは嫌うところであり、『夜のピクニック』に通じるジャンル? と紹介するにとどめます。

YNACのフォレストウォークのお客さんには、きっとよくわかる場面があることでしょう。

終盤の、トロッコ道を歩いているときの一節。

「明るい五月の午後。

一人の少女が藤棚の下で降るように散る藤の花を見上げている。」

ここを読むと、なぜか胸にぐっとこみ上げるものがあり、泣けてきそうになります。なんでしょうねこれは。

沢登り(登攀系)に行きたいぞ

昨年までの写真を整理していたら、そろそろ沢の虫がうずいてきた。

 

 

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鈴川二段の滝右壁凹角ルート。けっこう燃える。

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平地川ウォータースライダー。増水時の楽しみ。

 

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地獄谷核心部6m滝A0。クライマー:モスフォレスター3、ビレイヤー:タケシくん

2006.05.28

『コケの観察会』おわり。

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ヤマトフデゴケの大群落前で記念写真。

なんとか勤めましたが、やっぱり午前中だけでは短すぎるな~。

参加者の声「教えてもらったコケはわかるけど、名前のわからないコケはどうすればわかるの?」 

・・・ だから、簡単にはわかんないんだよ~!!

2006.05.27

『屋久島のコケガイド』

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明日はコケの観察会が開かれます。フィールドはヤクスギランド近くの林道で、コケの種類のけっこう多い、お気に入りの場所。

講師は小原というところが、まったく屋久島も人材がいないもんだという状況を表していますが、仕方がありません。来年はヤッシーにやってもらおう。

Photo_5 ←ヤッシー@縄文杉

なお、『屋久島のコケガイド』は、白谷やヤクスギランドで見かけるような、主だったコケが収録されているいいガイドブックです。隠花植物・菌類写真の第一人者、伊沢正名師と、コケのフィールドワーカーのトップ木口博史先生の労作で、(財)屋久島環境文化財団に問い合わせれば、¥500+送料で購入できます。

シカの役割

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2006年5月30日 19:00~21:00 屋久町総合センターホール

このタイトルを見ると、どうも主催者は「シカは植物を食い荒らすので悪者だ」という定説を島内で打ち立てたいと思っているように見える。これは本当に科学的な態度なのだろうか?

シカが異常に増加すると植物が食べられすぎて森が荒れる。このことは正しいと思う。

しかし前にも書いたように、屋久島では、シカが増えすぎないよう、植物が牽制・コントロールするシステムがあるように思う。ここでシカが爆発的に増加するということは、考えにくいのだが。

それどころかシカが植物と拮抗することで、現在の屋久島の森を作り上げたともいえる。現在の屋久島の森が大切であるとするなら、シカの果たしてきた役割を無視するわけにはいかない。

また、もし問題ありとするなら、国有林の大規模伐採の影響を避けては通れない。シカを悪者にしてしまえば済むという問題ではない。これに比べれば林道など小さな問題に過ぎない。

もちろん畑の食害は大変な問題で、有害獣駆除は必要だが、それとこれとは分けて考えないと。 感情的になりやすい問題も含まれているし、ごっちゃにしてはまずいでしょう。

まあとにかく、出席してみます。

 

今日も大雨。県道は通行止めだし淀川林道も崩れてシャクナゲ登山も中止です。

安房西では降り始めから466mmいきました。

Rimg0108気象庁

南東部に赤い雷雲。これは千尋滝が大増水してそうだ。

2006.05.26

大雨になりました⇒梅雨入り

このところの浮かれたエントリーに対して、

「こっちは雨ばっかりなのになんで屋久島が晴れなの~(怒)!」

というご連絡をいただきました。ご安心ください。屋久島は前線に刺激されて本領を取り戻し、大雨。おかげさまで私は本日デスクワークです(泣)。

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午前中温暖前線が通過。屋久島には『龍の巣』のような大きな雨雲が乗っかりました。

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連続降水量は安房西(屋久杉自然館付近)で388mmを記録しました。安房林道は通行止めです。(規定は220mm以上)

安房川は警戒水位を超えたそうです。これは8:30頃のようす。↓

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動画はこちら⇒「060526_011.avi」をダウンロード 432kb windows media player用

こちらは胸のすくような爽快なドライブです。町境の落(おとす)川付近。↓

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動画はこちら⇒「060526_016.avi」をダウンロード 709KB windows media player用

もひとつおまけ⇒「060526_022.avi」をダウンロード 1.4MB

「上映中気分の悪くなられた方は、目をおつぶりください」(某村センター)

 

2006.05.25

栗生タイドプール水族館(海藻編)

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栗生の海。

思えばYNACの前身ともいうべき『旧屋久島海洋生物研究会』は、この栗生塚崎の「タイドプール水族館」の基礎調査で大きく成長したのでした。

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周辺の海は海藻が減少し、トビウオの産卵場が消滅したのは有名な話です。ところが初夏、ここのタイドプールにはホンダワラ類が繁茂しています。

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塚崎の先端は「釜瀬の鼻」呼ばれており、お釜のような丸いポットホールが多いのが特徴です。そのなかをホンダワラが埋めるように繁茂しています。外海に海藻が生えられないのは、生えようとはするのだが、ブダイ・アイゴなどの藻食性魚類やウニが海藻を食害することが原因のようです。

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これはマフノリ。島津藩政時代、屋久島の年貢はヤクスギだったというのは常識ですが、どうも女性にはこのマフノリの拠出が義務付けられていたらしい。海岸の鼻という鼻、入り江という入り江に事細かに名前がつけられていたのは、フノリ採りの作業の頻繁さ、厳密さを意味しているように思えます。

タヌキのためふん5/25

今年の1月に報告したタヌキのためふん

1年も経たずして、こうなりました↓。

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すごい勢いでシャリンバイが芽吹いています(ためふんA)・・・と思いきや、

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たちまちシカが食べてしまうのです(ためふんB)。

タヌキのためふんという生態系上のイレギュラーは、食糧が不足ぎみらしいシカたちが、あっというまに片付けてしまうようなのでした。

2006.05.24

5月24日 白谷雲水峡

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空気が乾燥。コケが乾いています。

からからです。

雄ヤギ

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ふと見ると、前の軽トラに大きな雄ヤギが乗っている。最近あまりヤギをみなかったので、ちょっとびっくり。

ヤギの仕事といえば、草刈りかヤギ汁と決まっているが、雄ヤギは美味くなさそうだ。草刈りの仕事にでかけるところだろうか。

大丈夫か白谷のトイレ?

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白谷雲水峡のトイレの排水口付近。

遠目だが、富栄養化して緑色の藻類が繁茂しているように見える。浄化槽による分解処理が不十分なのではないか? 水質を調べてみる必要があるな。

「このトイレは『協力金』によって管理されています」と張り紙がされているから、協力金を集めている、林野庁森林環境保全センターが管理担当者なのだろうが、ちゃんと管理しているのか? 白谷川は数多くの美しい渓谷を擁する屋久島のなかでも代表的な名渓だが、この白谷川を汚染させているのではないか?

2006.05.23

尾之間の入り口

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新しくできた尾之間バイパスは、電線がないので眺めがとてもすがすがしく、いつも走るのが楽しみです。

しかし尾之間集落は通過する車が減って、少しさびしくなったらしい。巻き返しのために登場しました。

これです! 

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この区長さんの笑顔には、つい左へとハンドルを切り、ちょっと買い物でもしてゆこうかという気になってしまいます。
作者は、尾之間温泉や千尋滝のげじべえ売店などの地域絵(?)で大活躍の黒飛さんではないでしょうか。

2006.05.22

シャクナゲの開花

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現在高塚、鹿之沢、花山、淀川、太忠岳など、標高1500m辺りでよく咲いています。

黒味岳、焼野、翁岳分岐、宮之浦岳付近では、気の早い株はもう咲いており、全体的にそろそろつぼみが開きかけています。

昨年もなかなかよく咲きましたが、ことしもけっこうよさそうです。5月27日(土)のシャクナゲ登山の頃が、ちょうど見ごろでしょう。

5月22日 黒味岳の花

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黒味のミツバツツジもそろそろ終わり。

 

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これからはシャクナゲです。黒味山頂から七五岳。

 

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頂上の矮小化マイズルソウ。

 

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ハイノキの芳香が森の中に立ち込める。(↑写真をクリックしてポップアップ画面が表示されたら、ディスプレイの花のあたりを軽くこすってみてください。ハイノキのにおいがします。)

2006.05.21

岳人2006年6月号 尾之間歩道~花山歩道

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岳人編集部、岩城さんの屋久島紀行が掲載されている。尾之間歩道~花山歩道。

・・・屋久島の山歩きってこうだよなあ、という思いが湧き出すような、素敵な記事である。単独行の時の心の使い方や、行動に必要な配慮がさりげなくちりばめられているし、とくに、テントの利用をきちんと書いているのはとてもいいことだと思う。淀川や高塚ならともかく、屋久島のちゃんとしたルートをしっかり歩くのなら、テント泊が基本になるからだ。

屋久島の縦走にあこがれている方、大好きな方に、おすすめです。

 

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永田岳の整備

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永田岳南東面の登山道。

この部分は特に侵食がひどいため、昨年の林野庁の補修工事で木道橋が作られたのですが、すでに基礎が壊れ、橋板が浮いて傾いています。転落の危険あり。要注意。

しかもここで暴風に吹かれて、必要以上にスリリングでした。

  

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なにかと評判の悪い、登山道簡易指導ピンクテープ。

「下品だ」 「ケバい」 「違和感ある」 と、悪評の高かった色ですが、花山のシャクナゲのつぼみと同じ色でした。これからは、「シャクナゲのつぼみ色です」と説明しようか。

2006.05.20

5月19日 シャクナゲ山行

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咲き始めてました。5月19日花之江河近く。

こういうシャクナゲが咲く環境を見たい方

「06051820.avi」をダウンロード ↓429KB。5月19日宮之浦岳焼野、暴風雨。

こんなところで咲いているから花が強靭になるんだ。

花山歩道を往く

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大ハリギリ。

順調に進んでいれば、いまごろ花山歩道を彷徨っています。

 

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花山は、荘厳なヤクスギ二次林の美林です。

ただし標高の低いところには、こいつが多い↓

Hiru

 

2006.05.19

永田岳から鹿之沢小屋

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前野から永田本峰と、ローソク岩。

本日は、雷さえ鳴っていなければ、永田岳を超えて、鹿之沢小屋に向かっています。

  

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夜は、鹿之沢で人生を語っております。

2006.05.18

今日から山へ

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遠くの雨を見るYNACオカダアイたちです。

  

山は雲の中、海は雨っぽく、すでに屋久島は梅雨前線につかまったようです。

今晩は淀川小屋で飲んでます。どなたか合流しませんか?

  

Yodo

大雨さえ降らなければ、いいのだが・・・

2006.05.17

台風1号

台風1号が近づいてきそうな気配。香港方面で梅雨前線に合流するらしい。

午前中は本当に湯気の中にいるようだった。夜になって過ごしやすくなったものの、KYC時計は湿度79%を示している。

発達した前線はカオス的な動きをするので、予測きわめて難しい。さあて、明日明後日はどうなるだろうか?

2006.05.16

ADSLモデムと『ゲド戦記』

ここは安房のADSL圏にぎりぎり入っている。しかし通信速度が遅いのはともかく、接続が異常に不安定なのが不便で仕方がない。

いろいろ調べると、ADSLモデムを動かすソフトを更新すれば、ましになるらしいということがわかった。不安定な回線と根競べしつつダウンロードとインストールをやりとげ、無事工事完了。深夜3時。なんとかましになった。

頑張ったのはスタジオジブリの公式サイトで、『ゲド戦記』の予告編がアップされていたからだ。さっそくダウンロード。

・・・途切れ途切れでちょっと苦しいが、見られないよりましである。

ル・グインは好きな作家だが、とりわけ『ゲド戦記』は印象深い。この宮崎吾郎監督の初監督作品には、ずいぶん『ナウシカ』が入っている。登場人物の服装も、街の様子もそうだし、ゲドとアレンのたたずまいはなんとなくユパとアスベルだ。でもそれはそれでいい。もとはといえば『ナウシカ』に『ゲド戦記』がしっかり入っていたのだし。

テルーが現れるところは、なんとなく『シュナの旅』の感じもある。

予告編から想像される作品の全貌を、全編に流れる挿入歌『テルーの歌』の色調が支配している。世界が不可逆的に変化してゆくのを岩につかまってみているような、滅びへの戦慄のような。

胸に深く染みとおるような声。手嶌 葵。

作曲が谷山浩子だった。もうこの歌なしには考えられないような存在感がある。

7月の公開が待ち遠しい。鹿児島まで行ってでも見ないとね。

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2006.05.15

5月15日 白谷

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白谷の新緑。色とりどり。

母の日(翌日)のカーネーション

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カーネーション。

よく見ると、カーネーションっておしべがありません。おしべが花びらに変化しているのなら、八重咲きの花なのだろうか。

『世界遺産をシカが喰う』その2

興味深かったのは横田岳人さんによる紀伊山地の報告(pp105-123)と前迫ゆりさんによる春日山の報告(pp147-165)の報告だ。

数年前に大台ケ原を訪れたことがある。山頂部のトウヒ林で噂どおりの悲惨な食害を見たのだが、その後で口直しに西大台のブナ・ナラ・モミのすばらしい森へ向かった。ほっとしながらさわやかな草の小道を彷徨いながらその美しさを称えたものだ。

ところがこの報告によると、そのすっきりした林床さえも、以前はスズタケが密生した猛烈なヤブであり、それがシカによって10年ほどで食い尽くされた跡だったというのである。まったく、知らないということは怖いものだ。

この報告では、シカの食害を受けた後の状況がいろいろ検証されているのだが、興味深いことに、指摘されている各被害の結果が、我々が観察している屋久島の「原生自然」の性質と一致するように思えるのだ。(以下文章は引用ではなく小原が本文の文意をまとめたもの)

「大台ケ原の森林帯に生え、成長点が地上部にあるスズタケはシカに食い尽くされてしまうが、風の強い尾根部に生え、成長点が地際にあるミヤコザサは喰われても芽を出し続けることが出来、生き残る」 

⇒ 屋久島「森林内にスズタケタイプのササはなく、山頂部をミヤコザサに似た性質のヤクシマダケが被っている」

「大峰山のオオヤマレンゲは食い尽くされ、もはやシカ除け柵の中にしか生き残っていない」 ⇒ 屋久島「オオヤマレンゲはごく限られた一部の山の、背の届かないような岩の上にのみ成育している。」

「大台ケ原でも春日山でも、シカの食害を受け続けると、食べやすい植物は食べつくされてしまい、相対的に毒やトゲがある忌避植物が広く優先してくる」 

⇒ 屋久島 「シカの多い場所で優先する下層植生の多くは忌避植物または着生植物である。ヤクスギやアザミは全国でも特異的といえるようなトゲトゲしさとなり、食べやすい夏緑樹は高木や岩場に着生して難を逃れているように見える。オオタニワタリやヒトツバ、ノキシノブなどの着生シダは全般に忌避性を失っているのか、地上に落ちると速やかにシカに喰われてしまう」

「春日山照葉樹林ではカシ・シイ類など優先種の後継樹が喰われてしまうため、優先種の少ない不安定な森林に変化している」

⇒ 屋久島「西部照葉樹林はシイ・カシ類など照葉樹林で優先するはずの種が優先していない、妙な森である」

「ササなど下層植生が消失すると、土壌が流失して木々の根が地表に露出し、風倒・根返りを起こしやすくなり、土砂崩れにいたると思われる」

⇒ 屋久島「土壌は流失し、常に薄い。植生がなくなると大規模な土石流が発生し谷を埋める。渓谷には巨岩が多いが、これはシカの影響に先立つ、7000年前の幸屋火砕流によって大規模な植生破壊の結果かもしれないが。」

まあこれらはほとんど観察結果であって、科学的に検証されてもいないし、われながら舌足らずだとも思うのだが、つまり屋久島は、紀伊半島で現在起こっているような「被害」を、とっくの昔から受け続けている、という印象を受ける。屋久島ではそれらは「被害」ではなく「環境」なのではないか。

鬼界火山の破局的噴火は屋久島の生態系を壊滅させた。その後の荒廃した島の中で、ある種は滅び、ある種は生きながらえ、少しずつ島外からの来訪者を加えて生態系は復活してきたはずである。その中で他所とは異なるフェイズの、シカVS植物の安定機構が磨き上げられてきたのではないか。そんな思いがしてならない。

屋久島にはオオカミなどのシカを捕食する動物はいた証拠はないし、人間による狩猟圧が高まったのはせいぜい明治以降、それより古いとしても薩摩藩政時代より遡るものではないだろう。屋久島で植物が生きてゆくには、シカの脅威に立ち向かわなければならず、種ごとにそれをクリアする方法をもっていなければならない。乱暴な言い方をするなら、シカが多少増減したくらいで滅ぶ植物は、とっくの昔に滅んでいるはずなのである。

この非情な、巨大な実験のようなシステムが機能した果てに、現在の屋久島生態系があるのではないかと私は思う。生物多様性の保全は確かに重要だが、シカをとにかく「害悪」として殲滅するという考えは、論拠が不十分すぎる。

シカを取り除けばそれは喰われずに済むシダはあるだろう。しかし他所と違ってヤクシカの食圧が安定した「環境」であるなら、それは非常に人為的な、不自然な行為だといえるだろう。

2006.05.14

『世界遺産をシカが喰う シカと森の生態学』

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『世界遺産をシカが喰う シカと森の生態学』 

湯本貴和・松田裕之編 文一総合出版 2006

今、日本の生態系にニホンジカが大きな影響を与えている。

断片的に聞き知っていた各地の事例を、この本でまとめて知ることができた。屋久島の現状を把握するためにも非常に重要な一冊である。

この本の中で慎重に検討されている問題を実もフタもなく説明すると、①様々な理由でシカが増えており、②その食害は不可逆的に日本の植生を破壊しつつある、③したがって緊急にシカを大量かつ効果的に駆除しなければならない、ということになる。

屋久島に関しては、シカを強力に駆除するべきだという意見に対して、 生命の島74号誌上でYNAC市川が見解を述べているとおり、他所とは異なるフェイズにあるようで、必ずしもシカは増えているまたは今後増加するとは言いきれない。

この本では全国の世界遺産に関する事例をとりあげているが、共同執筆者たちのシカに対する姿勢にはかなりの温度差がある。慎重に検討を重ねなければ、という人から、ただちにシカを殲滅し、その後も絶えぬよう増えぬよう厳密にコントロールすべきだ、と言う人まで、様々である。しかし全般に冷静な分析で構成された、質の高い研究・啓蒙書といえるだろう。

(続く)

クサガメ@鳴子川⇒イシガメでした

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鳴子川でクサガメ発見。川沿いの山道にうずくまっていました。とりあえず捕まえてきたが、どうしようかなあ、これ。

ちなみに屋久島で淡水のカメはこれまでにスッポン(養殖池から逃げ出したらしい)とイシガメが(牧瀬一郎MCC会長談)確認されているが、クサガメは初報告かもしれない。

2006.05.12

屋久島うみがめ館ボランティア募集

うみがめ館からボランティア募集の連絡がありました。

---以下、転載---

■□■急募!ウミガメ生態調査ボランティア■□■

●募集期間 : 5~9月
特に5~6月に参加できる方を緊急に必要としています!
初めて参加される方は2週間以上の参加をお考え下さい。
短期の参加を希望する方の相談にも応じますので、お問い合わせ下さい。

●活動内容 :
ウミガメの生態調査(標識調査、ふ化調査)、浜の清掃、遮光林手入れ、
展示館の案内業務、共同宿舎の維持管理など

●参加費用 : 8,000円(賛助会費3,000円+参加費・保険代5,000円)
         ※但し、2回以上参加されている方は賛助会費のみ

●応募方法 :
下記事項を記載の上、原則として郵送(返信用封筒と90円切手同封)にて
ご応募下さい。
応募前にお問い合わせいただければ、E-mailでの対応も可能です。

◇氏名(ふりがな) ◇〒住所 ◇電話番号(携帯も) ◇E-mail
◇生年月日 ◇性別 ◇運転免許(マニュアル車)の有無
◇希望参加期間 ◇志望動機

●詳細は、当法人H.P.(http://www.umigame-kan.org)内、生態調査ボラン
ティア募集要項をご覧になり、事務局までお気軽にお問い合わせ下さい。

○ご応募・お問い合わせ先○
NPO法人屋久島うみがめ館 事務局
「ウミガメ生態調査ボランティア」係
〒891-4201 鹿児島県熊毛郡上屋久町永田489-8
Tel&Fax : 0997-49-6550
URL : http://www.umigame-kan.org
担当 : 井野、大内

---転載、以上---

屋久島で2週間、夜を徹した作業(昼間は眠れる)で燃え尽きたい熱い奴はいませんか?

 

ついでに、YNACも現在研修生を募集中です。ただし今回は自然科学系のトレーニングを受けたという限定付きで、しかも縦走対応に重心がおかれています。

5月11日 初シャクナゲ@太忠岳

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ごぞんじ天柱石。

 

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今年の初シャクナゲ。

 

Syakunage

天柱石の下です。

 

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太忠岳「ビッグバード岩」。左下にヤクシマミツバツツジが一株咲いています。

 

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ヤクスギの森の中には、ハイノキの花の芳香が立ち込めていい気分。

 

Kumo

帰りはうるわしい雲の中。来週には奄美群島が梅雨入りするという予報も・・・。

「サルと歩いた屋久島」 

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「サルと歩いた屋久島」 山極寿一 山と渓谷社 2006. 

サルのことをあまり知らなくても、屋久島の自然に関心のある人なら、山極寿一さんの名前はどこかで耳にしたことがあると思う。屋久島のサル研究の基礎を築いた一人であり、ゴリラの研究で世界にその名を知られる第一人者である。

「生命の島」などで一般向けにも多くの記事を執筆されている山極さんだが、「通し」で屋久島とご自分にについて書かれたものはこの本が初めてではないだろうか。

広い視野とエネルギッシュな行動力、冷静な筆致。研究や自然保護についての内容もさることながら、その過程で得られた結果や人脈を生かし、より社会的な成果へつなげてゆく力量。この人が現在の屋久島に与えた影響は大きい。

サル研究の最新のまとめはもちろん非常にためになるし、「・・・よ、よく死にませんでしたね」級のエピソードがちらりほらりと飛び出すのもさすがだが、通読してやはり印象に残るのは、西部照葉樹林についての話だ。研究書や論文で断片的に読み知ったことも、本人の述懐でまとめて読むのは一段と味わい深いものがある。

折りしも西部の森の利用については、昨年度末に屋久島エコツーリズム推進協議会の作業部会で検討されたばかりだ。会議では山極さんから1時間にわたり現状と将来に関する見解が示され、これを元に観光協会ガイド部会から提出された厳しい規制を旨とするガイドライン案が検討されて、一応の決着を見た。(残念ながら西部の森を紹介するガイドの資格の認定についてはうやむやなままになってしまい、なお厳しい詰めを残しているのだが)

山極さんを始め、西部に関わった人々の森への深い理解と想いを受け継ぎ、損ずることなく屋久島を訪れる人々や次の世代へ伝えてゆきたいと、あらためて肝に命じた。

「ひかりのあめふるしま」 田口ランディ 幻冬社文庫)を読んで屋久島に触れた人には、ぜひこの本を手にとっていただきたいと思う。

 

5月10日 風雨の黒味岳

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淀川。この付近は屋久島でもっとも降水量が多いところで、深いモスフォレストにつつまれています。 

 

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 ヒカゲツツジ。実は日陰は得意ではなく、高木のコケマットの上に着生するのが定位置です。今年は当たり年でした。淀川の橋で。

 

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 黒味岳のオオカメノキ。ブナ林系の落葉樹で、暗いツガ林を苦手とし、日当たりのいい高地にたまに生育します。清楚な白い花に梅雨の気配が・・・

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名花ヤクシマミツバツツジ。高所の岩峰に生育し、黒味岳南面に最大の群落があります。例年5月中旬に開花。 

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小花之江河。淀川側の登山道から砂が流れ込んでいます。水切りをこまめに点検する必要がある。山グワ部隊を作ったほうがいいかもしれないな。 

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帰りの淀川。少し増水しました。

一湊中学校の宿泊登山

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一湊中学校の生徒たちが、淀川小屋1泊で宮之浦岳登山。雨なのにみんな嬉しそうです。

黄色い雨具の人が指導者の野々山富雄さんです。彼の一湊中学校のための宿泊登山指導は今年で5年目。屋久島の子どもたちに自然教育を実践しているガイドは少なくありませんが、この人の活動は着実に地域に貢献しているものです。見習わなくては。

電波時計

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敬愛するKYC"OLD"の先輩方からいただいた電波時計です。
日時の他に温度と湿度も教えてくれる優れもの。
時計も頭もずれがちなわが家ですが、このコーナーだけは
いつも確かな信頼感を与えてくれます。

どうも有難うございました。

2006.05.05

縄文杉の事故

大株歩道で死亡事故

あの区間の階段はご存知の人も多いと思うが、下山のときなどとても怖いところだ。これまでに何件も転落事故が発生しており、多数のガイドがその危険性を指摘していた。

事故の詳細についてはこれから検証されるだろうし、いろいろ責任問題も発生すると思うのでここではふれないが、特に高い何基かの階段に手すりがあればこの種の事故はほとんど防げる、というだけのことのような気もする。

むしろ問題は、手すりがないと死んでしまうような人が、毎日大勢縄文杉に登っている、ということだ。善し悪しではなく、それが現実であり、屋久島はそれを受け入れている。

つまり本来ならもっとたくさんの人が死んだり大怪我をしたりしていても不思議ではないのだが、日常的に多数行動しているガイド仲間の連絡ネットワークや、献身的な救助協力体制が相当数の事故を未然に防ぎ、また被害を最小限に抑えている。

問題点は様々なところに顕在化し、また潜んでいる。現場のエキスパートの感性をいち早く取り込み、検証しつつそれらを生かしていくシステムを構築する必要を感じている。

友人の民宿が全焼。焼け跡が痛々しい。

シーズン中で眠くて頭が働かない。今日はこれでおやすみなさい。

2006.05.03

花束 at吉田展望台

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タヌキ写真

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西部照葉樹林で始めてタヌキの撮影に成功しました。

しなやかなにょろにょろした動きで索餌しながら谷に下りてきたところの、本当に偶然の1ショット。この個体は最初、「ん?イタチにしては太いぞ」という印象でした。小型の若いタヌキなのだと思います。

最近屋久島に定着しているタヌキですが、溜めフンを観察すると、シャリンバイとかセンダンとかの、鳥もサルも食べ残すような実ばかり食べているようです。夏はセンチコガネやゴミムシなど、地上性の昆虫が主食らしい。苦労して食べものを探しながら必死に生きているのでしょう。

カメラのフラッシュが自動的に光ってしまったのを見て、戻っていってしまいました。

「沢」封切り

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始まりました。沢のシーズンです。涼しめの天候もなんのその、元気な中杉さんが飛び込みます。そして・・・

おや? ま、まさか・・・

060502_011 うわ~! やってしまった!!

城野さんと中野さんも負けじと・・・

060502_015  うわ~!060502_016 ひゃ~!

・・・もう、止めません。

060502_019

最後を勢いある水泳で締めたのはこの人、天野かねきちさんでした。

2006.05.01

再開します

Photo ハマエンドウ

ごぶさたしております。ご心配をおかけしましたが、ブログ再開いたします。私は元気でやっております。

電話線とほぼ無縁の生活をおくっておりましたが、本日ようやくNTTが工事にきました。「お待たせしました」って、一ヶ月間か?といいたい気もしますが。

しかしまあ、ネットに費やす時間のない日々というのは、実に健康的なもので・・・。

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