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2006.09.08

屋久島『入山料』が動いている

以前から問題になっていた屋久島入山協力金(入山料)問題が、動いています。


計画の概要は、
「淀川登山口と荒川登山口の2箇所で『山岳部利用施設管理等協力金(仮称)』500円/人を取り立てる。約1900万円の収益をめざし、この予算で徴収人をやとい、淀川、高塚、新高塚の3避難小屋のトイレ屎尿の人肩搬出予算をまかなう」
というものです。

人肩搬出よりも安価に処理が出来ると試算されているヘリ搬出については、「検討しない」(理由なし)そうです。

また高塚・新高塚小屋からの搬出については、白谷17支線作業道ではなく、大株歩道を軌道まで搬出するそうです。その理由として前回の会議で「より利用客にアピールし協力金を徴収しやすくするため」という発言があったもよう。

縄文杉日帰りルートではほとんどの人が大株歩道入口トイレを利用しますが、高塚小屋のトイレの利用する人は少数です。にもかかわらず高塚小屋トイレ搬出費用を縄文杉登山者に負担させる理由は不明です。なお大株歩道入口トイレは独自に補助金等で運営されており、今回の『協力金』とは無関係です。

白谷とヤクスギランドの協力金は林野庁が独自に財源としているもので、その余剰分を山岳地域のトイレの整備などに使うべきだという指摘がされていますが、これについてはふれられていません。

むしろ、各入山口で金額をそろえるため、白谷・ランドでも各500円に値上げしてはどうかという提案があったもようです。


利用者に整備費を負担してもらうアイディアについては、かねてから、一箇所でまとめて入島者から購入してもらい、屋久島自然利用施設全体の管理に役立てる「環境キップ制度」が鹿児島県から提案されています。しかし実際の計画は、林野庁が白谷・ランドの財源を手放そうとしないため、鹿児島県・屋久島環境文化財団は、別途縄文杉や淀川など取りやすいところで金を取ります、という方向へ流れてしまっているようです。


このように、さっと目を通しただけでも問題点が数々ある計画ですが、そこには利用者の視点というものは、盛り込まれておらず、もっとも安価で効率のよい方法を模索した跡みられません。おかしなかたちで利用者の良心につけ込み、金をむしろうという考え方に思えます。

この計画が実現すると、「利用者を悪者扱いして、いたるところで金を要求する屋久島」 という印象を強めることになり、世界遺産のよいイメージを破壊するものです。

我々ガイド業者に対しては、(ガイド登録制度のときに、登録の要件に盛り込まれていたように) お客さんからの協力金の取立てに協力するように、という圧力がかかります。

さらに、この計画は実質的に国内初の「入山料の徴収」ということになりますので、ことは屋久島一地域の問題にとどまりません。

このような軽率な集金方法は、地域の心を汚し、様々な問題を派生させるものと考えます。


この問題については調査の上、逐次報告してゆきます。

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◎屋久島『協力金』問題」カテゴリの記事

コメント

この記事について事実誤認等がないかどうか、直接の当事者である環境庁、鹿児島県、環境文化財団、上屋久町、屋久町の各担当者に問い合わせていたところ、WG(ワーキンググループのことだと思います)事務局の林弘久環境文化財団課長補佐から下記のような連絡がありました。


「 送信いただきましたブログ掲載案について,WG事務局からの意見を別添のとおりお送りします。」

~・~・~・~・~・~・~・~・~・
100年後の屋久島を考えています
~・~・~・~・~・~・~・~・~・
 財団法人屋久島環境文化財団
屋久島環境文化村センター
  総務企画課長補佐 林 弘久
 〒891-4205
 鹿児島県熊毛郡上屋久町宮之浦823-1
 TEL:0997-42-2911 FAX:0997-49-1018
 http://www.yakushima.or.jp/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・

ブログ掲載案について

ワーキンググループ(WG)事務局

WGは,広く島内の関係団体に参加を求めているものであり,その場でこれまで合意されてきた事項について,ブログ掲載案とは以下の点でかなり事実関係が異なっています。

このことは,WGに参加した者の共通認識<現時点で連絡がとれなかった屋久島観光協会長,屋久島観光協会ガイド部会長及び屋久町環境観光課長を除く>ですので,情報を広く発信されようとするのであれば,事実を正しく伝えていただきたい。

①  ヘリ搬出の試算も行った。ヘリ搬出の場合,天候の影響を受けやすいなど,積算の不確実性が高く,搬出の方法や見積もりが確実な人力搬出方法で当面実施することで合意された。なお,人力搬出の実現性については,すでに実験で確認されている。
②  17支線からの搬出は距離が短く,現実的な案として提案されたが,作業道の通行の安全性が確保されないことから,大株歩道への搬出として合意された。
③  県が管理している山岳部のトイレ(大株歩道,新高塚,高塚等)の維持管理を適正に行おうとすると,費用が不足し,不足する費用を自治体等で負担することも困難なことから,利用者へ負担をお願いしようとするもの。現在の維持管理費のみでは,高塚小屋や新高塚小屋での処理を適正化すると大株歩道の管理費が不足するという構造になる。
④  ③のとおりであり,同じ財源でまかなわれている。
⑤  WG内部で指摘があったとの事実はなく,誤解が生じる表現となっている。
⑥  そのような具体的な提案はない。

<ブログ案で記載されているWGでの議論の事実関係に関する要点>

①  人肩搬出よりも安価に処理が出来ると試算されているヘリ搬出については、「検討しない」(理由なし)そうです。
②  高塚・新高塚小屋からの搬出については、白谷17支線作業道ではなく、大株歩道を軌道まで搬出するそうです。その理由として前回の会議で「より利用客にアピールし協力金を徴収しやすくするため」という発言があったもよう。
③  縄文杉日帰りルートではほとんどの人が大株歩道入口トイレを利用しますが、高塚小屋のトイレの利用する人は少数です。にもかかわらず高塚小屋トイレ搬出費用を縄文杉登山者に負担させる理由は不明です。
④  大株歩道入口トイレは独自に補助金等で運営されており、今回の『協力金』とは無関係です。
⑤  白谷とヤクスギランドの協力金は林野庁が独自に財源としているもので、その余剰分を山岳地域のトイレの整備などに使うべきだという指摘がされていますが、これについてはふれられていません。
⑥  各入山口で金額をそろえるため、白谷・ランドでも各500円に値上げしてはどうかという提案があったもようです。


以上。

まあ小さな問題が多いので、事実関係を確認した上で、結果を報告します。

それ以外の大きな問題点、たとえば

「しかし実際の計画は、林野庁が白谷・ランドの財源を手放そうとしないため、鹿児島県・屋久島環境文化財団は、別途縄文杉や淀川など取りやすいところで金を取ります、という方向へ流れてしまっているようです。」

のようなところに関しては、事実誤認も「誤解を招くおそれ」もない、と考えていいのかな?

>この計画は実質的に国内初の「入山料の徴収」ということになりますので、ことは屋久島一地域の問題にとどまりません。

こんにちは。

細かな情報の錯綜はあるようですが、こうやって情報発信していただけることは島外から屋久島を見ている自分にとってはありがたいです。
色々なことを考えるキッカケになります。
続報を期待して待ちます。

「入山料」が動き始めたのですね。

でも,このブログで動きを知るしかないというのもどんなものかと。ワーキンググループで議論しているのであれば,その内容を開示してもらいたいし,歳入・歳出の試算も含めて具体的な計画も知りたいところ。

小原さん指摘の「大きな問題」のホントのところも知りたいな。

島内にいてもなかなか見えないトコロが多いなぁ。

目的が「避難小屋のトイレ屎尿の人肩搬出予算をまかなう」というのも泣かせますね。必要なのはわかるが・・・。

ツッコミどころ満載なので,続報に期待します。

以前にお聞きしたお話ですね。動き出したようですね。

トイレ自体に料金箱を置くとか、トイレを各地の山小屋に設置され始めてるバイオトイレとかにして利用料を取るとか、そういう考えは無いのでしょうか?

『入山料』と言う安易な方法で観光客たる登山者に屋久島の問題を押し付けてしまって本当に良いのでしょうか?もちろん本当に屋久島の環境や住人の方々にとって役に立つのなら多少の金銭的負担は構いません。どこかの観察会みたいなことにならないのならば・・・。

どうも、問題は別のところにあるような気もします。大きな問題が・・・。

WGからの『100年後の屋久島を考えています』と言う文字が非常に白々しく感じてしまいます。

こんにちは。ナガノです。初めて書き込みしてます。

ブログ読みました。でも今回のお話は「トイレの処理が大変なので、皆さん協力して下さい。協力金下さい」が発端なのではないんですか?
全国初めて「入山料を取る」ということは、別にじっくりと議論が必要だと思います。
でもこの場合は、議論ばかりしていると、その間に実際にトイレが処理できなくて、溢れてしまったり、使えなくなったりしたのでは困ります。「トイレチップの在り方」というのなら、今はトイレチップは尾瀬だってどこにでもある話では・・・?ようは「屋久島トイレ問題」をどうするかということが、とりあえずの差し迫った問題だということではないんですか?世界遺産である屋久島の将来が「はとうち、きじうち、おはなつみ」ばかりでは困ります。

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