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2007.09.26

『日本の幻の滝』

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『日本の幻の滝』 志水哲也 山と渓谷社 ¥3,600.+税 2007.9.

畏友志水哲也の最新作。

峡谷の奥深くに君臨し、流域を支配する巨大な滝群がこの写真集の主人公だ。普通の人間は決して見ることを許されず、核心部に達する力のあるものだけが真の姿を記録することが出来る、それこそが幻の滝である。

収録された作品を1点ずつ仔細にみてゆく。収録された滝のいくつかへアプローチし、その核心部へ侵入するために、彼は国内でも上級から最難クラスの沢登りルートを単独で突破している。

また小さな人間の視点では巨大なスケールを表現出来ない場合には、迷わず空撮を行っている。

滝を写真で表現するために彼が費やした努力の内容と時間の質は、沢登りという表現手段を共有するものにはとりわけ強く迫ってくるものだ。一点ずつ見て行くと、その作品を撮れたときの作者の喜びが思われて、胸が熱くなってくる。

飯豊連峰の梅花皮(かいらぎ)大滝200m、奥利根・越後沢の中俣大滝200m、立山称名滝350m、黒部川・剱沢大滝134m(ただし両岸側壁500m)。

いずれも沢登りの世界では超有名なジャイアントたちである。

屋久島では幻の滝の代表格である『竜王の滝』3段110mが収録されている。2段目右岸大スラブからのアングルは、これまでほとんど知られることのなかったこの滝の姿を捉えており、画期的なものだ。貴重としかいいようがない。

滝に思いを持つ人にはぜひおすすめしたい一冊だ。

(でもこれを見て「竜王の滝に行ってみたい!」なんて考えだけは、起こさないでくださいね)

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屋久島本の世界」カテゴリの記事

コメント

ん~!!想いが伝わって、じ~んとしました。見てみたいし・・・行ってみたい・・・滝好きなんです!

ありがとうございます。大変な写真集なんですよ、これは。

困難な滝のことばかり書いてしまいましたが、すぐ行ける滝の写真も核心への突っ込み方がすごいです。徹底しています。尾瀬の三条ノ滝なんて普通ではまず見られない素晴らしい増水の光景を捉えています。

で、見てると「…この滝、どこ登れるかな~?」と考えてしまっている自分がいるわけです。

遅くなってしまいましたが、先日はご愁傷様でした。

本屋で確認してきましたが、
ちょっとやそっとでは撮れない、すごい写真集でした。
ポットホールも沢山出ていましたね。
ただ、竜王滝1段目の写真の画素が荒くなっているのと、
値段が人を選ぶのがちょっと残念・・・

このブログ右上の写真と同じポットホールが載ってます(笑)。
これを見て「竜王の滝に行ってみよう」と思う人がいないことを祈るばかりです。

この本は半端なくスゴいですよね。

しゃけさん

おお、おわかりですか、このとんでもなさが。しゃけさんは沢やさんですか?
志水哲也さんもこの写真集にかけた労力をつくづく語っていました。作品のひとつひとつが大変な努力で撮影されているんです。

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