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2007年10月

2007.10.28

林野庁の迷惑看板in花山

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『山の神祭り』明けの27日、久しぶりに花山の森へ登った。登山口からの一途な登りはなかなか険しいが、ミニ台風の吹き返しで爽やかな北風が吹いていて、やっと快適な登山シーズンになったなあ、と思う。

花山歩道の南側は小楊子川の深い森で、この一帯は『原生自然環境保全地域』に指定されている。登山道はその北のへりをなぞるように永田岳へと続いている。

じっくり4時間弱のアルバイトの末に「花山入口」に登りついた。台地上に広がる荘厳なヤクスギの森を心楽しく散策して、目的地の「花山広場」にたどり着く。ここはスケールの大きな花山の森のなかでも、ひときわ素晴らしい巨木の大伽藍である。

ところが、その風景のどまん中に、新しい看板がたてられていた。

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林野庁の「森林生態系保護地域」看板だった。

この花山広場は、屋久島屈指の森林景観ビューポイントだと思っている。細い道と小さな指導標以外、人工物は何もなかった。ここにこんなものをわざわざ設置する理由はなんだろうか。

屋久島森林生態系保護地域は、1991年に設定された林野庁初の自発的な国有林内自然保護エリアである。単なる庁内内規なので、法律で確実に保障されたものではないが、鯛之川右岸や七五岳周辺、永田川支流のコスギダン流域、安房川下流左岸などは、このエリアに含まれることによって、めでたく林野庁の伐採を免れることが決定した。

しかしそれ以外の部分は、基本的にすでに守られていたエリアに、だぶって引かれた線引きである。花山は特にその恩恵を受けておらず、林野庁が主導的な役割を果たしたわけではない。

それなのになぜここに看板を立てたかといえば、単に目立つからだろう。

すでに原生自然環境保全法がこのエリアを守る力を発揮している。地域の自然を守るために重要なのは、ムチャな伐採をしたり工事目的の大規模林道やダムを建設せず、賢明な利用のための手入れを具体的に行うことであって、実害のない登山者にこれ見よがしなアピールをしたり、厭がらせをしたりすることではない。

白谷などでもしばしばあるのだが、必要もない看板を立てて景観を破壊されるのは迷惑である。こんなことをしているヒマと予算があるのなら、荒廃して使い道のない人工林を何とかして、理にかなった次世代の造林に心血を注ぐべきだろう。

それが出来ないのなら、林野庁の看板はもうおろしていいのではないか。

2007.10.26

ハロウィーンの「メン」

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畑に自生してきたオレンジ色の屋久島カボチャ(そう呼んでいます。水っぽくてあまりおいしくない。)をくりぬいて、娘Mが作りました。ジャック・オー・ランタン

ハロウィーンは元々ケルトの祭りで、年の暮れに死者の悪霊が仲間を連れて家族を訪ねてくるというものだったとか。日本の正月も、ルーツをたどれば先祖の霊がやってくる、というもので、それを迎えて云々、というあたりはよく似ています。

ただハロウィーンでは、悪霊や魔女を避けるために面をかぶったんだそうですが、日本では秋田のナマハゲのように、またこちらはお盆ですが悪石島のボゼ、三島のメンのように祖先神が恐ろしげな面をかぶってくるところが少々違います。

このジャック・オー・ランタンは悪霊よけに戸口に飾るものです。送り火とナマハゲが合流したようですね。もう由来も来歴もわからないような古い行事や神話には、意外とヨーロッパにもアジアにも共通して伝わっているものが多いです。

そういえば、屋久島にも「メン」という化け物がいたそうです。正体不明の山の化け物としいう伝承しか残っていないのですが、これは、もともとは三島と同じように古い神様だったものが、もうお面も姿も失って、ただの妖怪になってしまったというふしがあります。

2007.10.23

『ミシュランガイド東京』と屋久島のガイド事情

あのミシュランがついに日本へ、というニュースはまだ記憶に新しいが、その『ミシュランガイド東京』が、早くも11月22日に創刊されるそうだ。

まあ実際にはミシュランなんて見たこともないので、実際どれほどのものかは読んでみないとわからない。(フランス語だったら見てもお手上げである。)

5人の覆面調査員が1年少々の間に1300件ものレストランを調査したという。1人あたりの担当は実に260件! これだけの経験値があれば、いやでも目は肥えてくるだろう。

実は以前からミシュラン方式には関心があった。

屋久島の観光関連産業の評価というのは難しい。島内業者の立場では、狭い地域のなかのこと、どうしても他の業者の批判的評価はしづらく、第三者的な客観的な立場から物を言うということができない。

なあなあのぬるま湯で、お互い様状態を維持するか、結果を省みず気に入らないものを感情的に攻撃するかしかないので、島内発の正確な情報を訪問客に提供することができないのである。

島内がそんな状態であれば、利用者からのフィードバックも期待できない。利害関係のない純粋な利用者サイドからの客観的な評価を導入するほうが効果的だ。

そこでミシュランだ。覆面調査員が、ガイドツアーのお客さんに紛れ込み、ツアーの内容を正確にチェックするのである。これはいいぞ。実はこのところ屋久島では、質の悪いガイドがわずかながら増えているふしがあるのだ。

ビューポイントを占拠して、他の人が通してくれるよう頼んでも無視してしゃべり続け、人をにらんで舌打ちをして返す女ガイド。団体がきたので道脇に避けていても礼も言わず、それどころかそっちではなくこっちに避けろと横柄に指図する男ガイド。値踏みをするようにひとをじろじろと見る無礼な男ガイド。傍若無人にしゃべりまくり、周囲の迷惑をまったく気にしない女ガイド。解説なのかなんなのか、理解に苦しむような下品な小話を大声で話す男ガイド。自分の基準で他の登山客を当然のように怒鳴りつける爺ガイド。

まったく書いていて悲しくなってくる。とても常識ある人間の態度とは思えず、こんなのがガイドだと名乗っていること自体恥ずかしい。この手の連中は人の指導など聞きはしないし、それどころか自分はたいしたガイドだと信じていたりするのである。

こういうのに当たってしまったお客さんこそ不幸だが、その場合大半の人は「こんなところには二度と来ない」と思って去っていってしまうので、実情がフィードバックされないのだ。

そこでミシュランである。

調査員5人で手分けすれば、島内のガイドが150業者として1人あたり30業者の担当だ。たとえば縄文杉に30回も行けば、それが現実的にどうかという問題は別にして、だいたいガイドの全体像もわかり、筋金入りのお客さんとして、客観的な批評力も期待できるようになるだろう。ガイド側も、ミシュランにけちょんけちょんにこき下ろされるという(当然「星なし」?)危険があれば、一念発起、ここは一番頑張ろうという気にもなって、ガイドの質はいやでも向上するだろう。

評価基準も、ガイドの自己申告ではなく、利用者の立場からのものになり、情報は正確で利用しやすいものになるだろう。いい事ずくめではないか。

問題は縄文杉に行ったり白谷を歩いたり、カヤックに乗ったり海に潜ったり、来る日も来る日遊び続けてしかも屋久島側にばれない調査員がいるかどうかだが・・・どなたかいませんかね? 

『至宝の大自然屋久島‐源流を求めて』

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『至宝の大自然屋久島‐源流を求めて‐太田五雄山岳記録写真文集』 南方新社 2007年10月 10,000円+税

屋久島山岳地域研究の第一人者太田五雄さんの写真集。「この45年間、調査の傍ら撮影した写真は数千点にも及び・・・」とのことで、山岳・渓谷登攀の集大成的作品を期待したのだが、登攀的な写真は無く、意外にも屋久島全体を一通り網羅するような内容だった。古き時代の屋久島を感じさせる作品は少なく、比較的最近撮影されたものが多いようだ。

内容的には、なんといっても渓谷の写真が目を引く。最近は渓谷の写真の露出も増えてきたが、ここに収録されているのはきちんと沢登りをしなければたどり着けない光景の数々である。屋久島クラッシックというべき本流筋の滝やゴルジュ(岩壁にはさまれた峡谷部)が多く、とくに黒味川ゴルジュや鯛之川のナメの写真が世に出るのは珍しい。渓谷の資料としては貴重なものである。

この本は10,000円+税と非常に高価で、おそらく採算を度外視して発行に踏み切られたのではないか。しかしこういう作品は形にしておくべきなのだ。このような自叙伝的な労作に対しては、細かな事柄の批評ではなく、その全体像をとらえ、味わうことが大切なのだろう。

2007.10.17

漢字の鳥の名前検定

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一問間違えました。⇒けんてーごっこ

2007.10.14

ウィルソン株 2007.10.7

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10月7日10時50分のウィルソン株。縄文杉に向かう人でいっぱいです。株の中なんて満員で入れません。そこにいたののちゃんによると、本日700名くらいとのことでした。

ますますすごいですね~、この縄文杉人気。縦走の途中だった私らは、下りの片道だけでもうかんべんしてくれ~という気分でした。まあ、この件はいずれまた。

法事でまた北海道に何日か行ってます。その間更新はできません。

 

2007.10.09

ハナヤマツルリンドウ~秋の高地の花

0710067_98 投石岳付近

秋の名花ハナヤマツルリンドウ。ヤクザサ帯のすきまに絡みつくつる草で、いま満開になってます。これは驚いたことに1984年に新種として発表されたもの。それ以前にもそこに「ツルリンドウ」があることは知られていたのですが、実の形が本当のツルリンドウの赤紫の液果と全然違って、小さなオクラのような朔果であることがわかったのです。灯台下暗しといいますか。

  

0710067_95 投石岳付近

ウメバチソウ。屋久島のものは超小型。

 

0710067_47翁岳付近

ヤクシマアザミ。葉のとげとげしさは国内最悪。シカの食圧が強いところはアザミもトゲの強いものが増えるといいますが、この様子からすると屋久島は、シカの食圧国内NO.1ではないでしょうか。花はそろそろ終わりです。

0710067_88 翁岳付近

イッスンキンカ。矮小植物の代表格のひとつで、高さが1cmくらいしかありません。非常に近い関係にあるアキノキリンソウは全国各地に生えていて、先日北海道の然別湖でみたものは草丈40cmほどもありました。

0710067_115 投石岳周辺

おや? この季節にシャクナゲ! 夏の暑さが影響したのか、うっかり狂い咲きしてしまいましたね。

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おお、今年よく休んだだけあって、宮之浦山頂付近のシャクナゲはぎっしりと来年用の蕾をつけています。

2007.10.04

晩夏の夕焼け

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4日18時ごろ、一湊と志戸子の間から。

久しぶりの夏らしい夕焼けです。(もう10月ですが。)

林野庁「緑のオーナー制」の破綻と、屋久島の『協力金』

先日破綻が報道された「緑のオーナー制」は、1984年に始まっているはずだ。ちょうど私が大学を卒業して就職したころである。鹿児島大学在学中に屋久島国有林伐採の悲惨な実態をいやというほど見せられて、巨悪というべき林野庁の存在に目もくらむような怒りを感じている頃だった。

しかし同時に林野庁の不真面目な仕事ぶりと放漫経営から、林野財政が破綻しつつあることと、それによる国有林野の荒廃が急激に現実化していることもわかっていた。杉材の値段はすでに急落を始めていた。

その矢先に、「緑のオーナー制」が打ち出されたのである。これは国有林の若いスギやヒノキ植林地などを1口50万円で国と共同所有し、10~40年後にその木の伐採で得られたの収益金を国と分け合うという一見手堅そうな公的投資商品。しかしこれが苦しまぎれの資金集めだということは、私のような学生上がりにもすぐに理解できた。

2000年頃すでにこの制度が破綻した、という報道があったと記憶しているが、このときも当然だろう、という感慨しかなかった。

だから今回の、これまでに満期になった分のほとんどが元本割れまたは落札なしという惨憺たる有様についても、当たり前だとしか思わない。

驚いたのは、このバレバレの国家的詐欺としか言いようのない制度に、500億円もの金が集まっていたということである。林野庁はこの大金を、当然すぐ全部使ってしまったので、もちろん一銭も残っていない。

わかりきった結末で、いまさらコメントする気にもならない。

しかし巨大林道工事を巡る汚職の巣であり、林野庁OBの有力な天下り先の一つでもあった「緑資源機構」の例や、花粉データの粉飾事件など、あとからあとから汚職がこぼれだしてくる林野庁、という評価もはっきりしてきた。

さて、「屋久島自然休養林」ヤクスギランドと白谷雲水峡で徴集される「環境整備協力金」は、平成17年度に4472万円もの額にのぼった。この協力金は次の年度に全額をヤクスギランドと白谷の整備に使い切ってしまうことになっている

これは、協力金はよその自然休養林等に回さず、すべてヤクスギランドと白谷に還元する、という林野庁の約束によるものだ。

しかし仕事というものは普通、このことのために予算がいくら必要か見積もる予算案がまずあり、予算額の検討・折衝があり、実際に執行されて、監査を受けるという流れで進められるはずである。

ところが、協力金というのは、そもそも予算案がない。集まったお金は一旦林野庁のふところに入り、同額は次年度にとにかく全部使い切り、監査もされない、ということになっているのだ。

その内訳は、

委託請負金(受付の人件費) 2438万円

施設整備(観察路補修、看板作成) 914万円

リーフレット、チケット印刷等 850万円

危険な枯れ木の伐採等 230万円 

・・・リーフレットやチケットの印刷になんで850万もかかるのか?

これはぜひ説明して欲しいものだが、それはおくとしても、受付の人件費2438万とリーフレット・チケット印刷費850万を合わせると3288万円になる。

つまり「協力金」を受け付ける仕事に、協力金の総額の実に73.5%を費やしていることになる。

協力金を拠出している人は、屋久島の自然のために協力しよう、と思っているのであって、決して林野に寄付しようと思ってるのではないだろう。緑のオーナー制度にしても同じことだが、この屋久島訪問者の善意の基金を、こうも金にルーズで無責任な林野庁に任せておいて、果たして大丈夫なのだろうか?

ちなみに平成18年度の協力金「収入」は4873万円だった。林野庁は、今年もまたこのお金をぜんぶ自分のところで使い切ってしまうことにしている。

500億もすぐ使ってしまう人たちの感覚で、4873万円など小遣い程度にしか考えていないとしたらとんでもない話である。これは屋久島を訪れた人々から林野庁が係としてお預かりしている貴重なお金なのだ。無駄遣いなど絶対に許されることではない。

林野庁が握って離さないなどという必要はない。屋久島全体でこのお金を自然のためにうまく生かすシステムを作るべきだ。

  

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ランドと白谷で配られるパンフ・チケット。今年度から右のシールも配っている。これらの印刷代に850万費やしているのだそうだ。

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これはシールの説明書き。要するにランドと白谷の管理が別々だったのを一本化するというだけのことである。

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