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2007.11.26

『協力金』問題再燃か

しばらく静かだった『協力金』問題ですが、動きがありました。

過日行われた屋久島山岳部利用対策協議会において、鹿児島県環境課から次のような提案があったようです。

  • 淀川、新高塚、高塚、石塚、鹿之沢、白谷の各小屋のトイレの管理財源として島内5ヶ所で「管理募金」を徴収したい。額面は下記の通り。
  • 荒川登山口: 500円
  • 白谷雲水峡・ヤクスギランド: 現行の林野庁協力金の他にそれぞれ200円
  • 環境文化村センター・屋久杉自然館: 入館料の他にそれぞれ200円

とのことです。

なんとも妙な金額の差です。

白谷とヤクスギランドの200円というのは、林野庁があくまでも現行の協力金を固持するので、林野庁が納得するようにあわせて500円としたい、ということでしょう。文化村センターと自然館の200円というのは、入館料が500円に600円とそれなりに高いので、お安くしておきますか、というところでしょうか。

徴収方法については明らかでありませんが、荒川以外は受付があるので委託しよう、荒川には徴集人を置こうということでしょうか?

ちなみに荒川縄文杉ルートの荒川登山口トイレと大株歩道トイレに関しては、管理対象に入っていません。

さて、問題点がどこにあるのか。

まず、トイレの利用者と「募金」される人がまったく違います。荒川口から縄文杉に登る人は高塚のトイレなど使わないし、ヤクスギランドを歩く人も淀川小屋のトイレなどまず使いません。

あるトイレが有料になるというのなら、そのことに対する是非の判断は別として、一応受益者負担という筋はとおっています。しかしこの案では、あるところにたまたま来た人が、他の関係ないトイレための管理費を要求されることになります。これは受益者負担ですらありません。なぜこのような案を思いつけるのか、不思議なくらいです。

トイレ利用者以外の観光客にも屋久島全体のための負担をお願いするのだ、というのであれば、だれもが通過する空港や港などで広く浅くお願いするのが筋ではないでしょうか。それなら鹿児島県の当初の案どおり、環境キップ制度を導入すべきです。

管理対象に新しく白谷山荘のトイレも入っているのが目に付きます。しかし現在このトイレはすでに林野庁が人肩搬出を行っています。この事業は潤沢な白谷+ヤクスギランド協力金でまかなっているということで筋は一応通っている。これを200円実質値上げしなければならない理由はなんなのか。

観光協会は、以前この協議会で縦割り行政の弊害を指摘し、環境キップ制度/入島税の推進をうたったはずなのですが、林野庁や鹿児島県側はまったく意に介していないのかなんなのか、前回から何の進歩もない案を出してきました。

観光協会もなめられたものですが、このときの協議会では、先の判断のとおり、このような縦割り徴収には賛成できないということで、突っぱねたもようです。

こんなことを許したら、屋久島はどこへ行っても金をむしられる、タカリの島になってしまいます。

本来国の施設は国が責任を持って管理すべきなのです。受益者負担をお願いしたいというのなら、きちんといくら必要なのかを算出し、公平で利用者の負担がなるべく少ない方法を探るのが当然です。

人の多いところでたかってまわるような鹿児島県の案はどう考えてもおかしいし、現行の「協力金」を握って離そうとしない林野庁の姿勢はもっとおかしいように思われます。

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コメント

屋久島を愛する島外在住者として一言.

トイレや自然道の整備に協力金を出すのは当然のことと思っています.入島税として,広く浅く徴収するべきと思います.

鹿児島県の案は,かなり酷いものですね.
改めて申し上げるまでも無く,「世界遺産」ということは「世界の人類の宝」ということです.鹿児島県のものでも林野庁のものでもないよね.

もし,こんな案が通るような雰囲気なら,連絡をください.動植物の各学会に連絡して,反対運動を行います.

小原 様

 ご指摘ありがとうございます。
 私は,県環境保護課の谷口と申します。
現在,屋久島の山岳利用対策協議会での山岳トイレと協力金の仕組み作りを担当しています。ご指摘のことについて,できるだけお答えしたいと思います。
 なお,同協議会の事務局は私どもの県環境保護課になりますが,協議会そのものにはっきりした(法的な)主体性があるわけではなく,取り組みは原則的に構成員の総意により,構成員ごとに進めています。そのため,今回の取り組みを振り返る場合など,どうしても個人的な考えが含まれてしまうこと含み置きください。

まず,今回の取り組みに関して,平成16年からの検討作業が先行してあったことは,ご存知のとおりです。そしてその作業は,様々な課題のため中断されていました。平成18年度末,何も進まないその状況を打開するため,主に町と観光協会が中心となり,地元関係者の話し合いがもたれました。そこで,山岳トイレ等に関する抜本的な解決は将来的課題とするが,ヤクスギランドと白谷雲水峡の既存窓口で協力金をいただき,緊急性の高い山岳トイレのし尿の山中埋設だけは解決しよう,それに絞って取り組もうとの合意がなされました。(この時点で,受益者と協力者は必ずしも一致しないが,協力金であり利用料ではないのでやむを得ないとした,ということになります。その評価は様々だと思います。ただ,地元で取り組む以上,まず確実な財源確保が不可欠との背景がありました。)また,国による本格的な山岳トイレの施設整備やヘリによるし尿の搬出などが実現するまで,地元で対応が可能で,地元にお金が落ちることになる「人力による搬出」をしようということでもありました。

 ヤクスギランドと白谷雲水峡には既に受付窓口がありますし,確実に最小の費用で一定の協力金が見込めます。ただ,それにも課題がありました。ヤクスギランドと白谷雲水峡の窓口は,現実には林野庁の了解がなければ利用できないのです。そこで,時間をかけて了解を得るよう関係者が努めました。相当の時間がかかりましたが,理解してもらい,そして,その了解を前提として,これまでし尿を山中埋設しない仕組みづくりを検討してきたのです。
また,ご指摘の受益者負担に関しては,山岳利用対策協議会でも特に議論がありました。弱点はご指摘のとおりだと思います。そうですが,緊急性の高い山岳トイレのし尿の山中埋設の解決のために受益者負担を徹底すると,財源の確保が極めて困難という事情も一方であります。し尿の解決を優先するか,原則を貫くのか。原則を貫ぬことは,多分現状の枠組みでの検討作業を断念することを意味していました。
そこで山岳利用対策協議会としては,当面のし尿の山中埋設の解決を優先したのだと,私は考えています。そして,そのことが将来の本格的な対策までの障害にならないよう,あくまで暫定的な取り組みとの位置づけを致しました。

平成16年度から進めてきた環境キップの取り組みを断念せざるを得なくなり,また入島税も,屋久島のような比較的規模の大きな地域でのコンセンサス,さらには諸制度のクリアなどの諸課題があり,時間をかけて取り組まざるを得ない状況にあります。
 そのような中にあって,早急に解決しなければならないし尿の山中埋設の解決を優先し取り組むことは,島民の方々にもご理解いただけるのではないかと,私は考えています。
そうは言うものの,実は現在の取り組み案についても,細部については詰めなければならない点が多く,関係者と協議を重ねている段階です。そのため,明日(11月28日)屋久島にまいります。勝手ながら,さきほどご自宅に電話させていただきました。
ご都合がつきましたら,以上のような点を直接,ご説明させていただき,ご協力をいただきたいと考えています。
よろしくお願い申しあげます。
        
環境保護課 谷口廣一

谷口様

コメントありがとうございます。各行政機関からコメント欄に堂々投稿くださったのは谷口さんが初めてです。責任あるお立場からのご発言、感謝します。

施設整備とその管理方法、費用の問題の舵取りを間違えると、屋久島の将来に取り返しのつかない多くの禍根を残すことになるでしょう。

いくら必要だからといって、本来もらう筋合いの無い金を、屋久島訪問客の良心につけ込んで、取りやすそうな所から徴収するなどということを、受け入れ側が行っていいとは思えません。

林野庁の協力金にしても、集まったお金が実際どのように使われているか、事前によく説明してから白谷に行くと、協力金を出す人は激減しますよ。

屋久島訪問者の皆さんはどうお考えでしょうか。

屋久島を時折訪れるひとりです。

環境保護課の谷口さんによる説明を読みました。
世界遺産の屋久島は「世界共通のたからもの」ではあり
ますが、お金を集める以上、筋道の通った、できれば
良心的なものであってほしいと願います。

優先課題を早急に解決するため、受益者と協力者が
必ずしも一致しなくても(協力金であり利用料では
ないので)やむを得ないとされるなら、せめてその
ことを窓口で『明示』していただきたいと思います。

有人の窓口で払わず通り過ぎるのはなかなか難しい
ことです。実際「協力金」と「利用料」
の違いを意識している観光客が多いとも思えません。
(表現としても誤解の生じにくい「募金」等とされる方が、
より公正であるように感じます。)
また、その場では供出したとしても、あとで知って、釈然と
しない気持ちが残る場合もあるかもしれません。

今回の説明において、島民の方々の理解をお求めの旨
お書きですが、多くの(屋久島に目を向ける)人が読む
こうした場で、徴収の主な対象である屋久島訪問者に
対しては言及されていないのが、とても残念に思いま
した。

私の住民としての意見
私は世界の色々な国立公園、自然遺産を回ってきました。
どこも施設、環境保護と維持のため25$~45$ぐらい徴収しています。観光客は見せてもらっているとの感覚で支払いをするのが常識のようです。トイレも立派でよごれてはいません。園内には立派な道路、宿泊施設も整っています。
維持管理をすると環境保護が行われ、観光客のマナーもよくなります。
その上地域の経済も潤って、観光産業が成り立っています。

屋久島という観光環境を持ちながら、30万人の観光客では少なすぎるとも思います。今のままでも国、県は何も腹は痛まないでしょうが、ここで中途半端な対策をすると、地域住民にとって何の恩恵もありません。
トイレのことだけを考えるのではなく、国立公園、自然遺産に対して観光産業と環境保護の根本的なことから地域住民の了解の基に対策を考えるべきではないかと考えます。屋久島は観光しか産業がないのです。これが基本だと思います。

 屋久島は離島ですから、観光客に対して、島に入島するときに船、飛行機の運賃に3000円~5000円の入島料金を加算すれば、あまり経費もかからず徴収できるのではないかと考えます。
この徴収したお金で、環境対策(トイレを含む)、観光開発を行えばよいのではないかと思います。(入山の自動車規制を行いシャトルバスのみにして、ここで入山料を徴収するのも一案かも知れない)

トイレはその場で完結する処理施設を作らないと維持管理が難しい。工事をすると環境破壊だと言う人も居るが、それは一時期、一部の場所であって、その施設が全体の環境保護になると思います。
目的は何かを明確にして、そのために何をするかを考えたい。
私は住民のための観光産業の発展と環境の維持と考えます。


簡潔に言うなら、本当に屋久島の環境を守り維持していく為なら、多少のお金は喜んで払いましょう。

ただ、それが何に使われるのか分からない。徴収する人の人件費に消える。無駄な看板を立てる。では、困りますし、本音を言えば払いたくない。

屋久島町、鹿児島県、国、しかも林野・環境、それぞれがそれぞれに水を引きたがっていては話はまとまらないでしょう。本当に屋久島の環境を守る気があるんでしょうか?

カンボジアに行った時、アンコールでは入場券を購入します。1日券、3日券、7日券です。3日券と7日券には写真がつきます。そのお金で遺跡の修復資金等に当てています。

地方の道路が整備されていない遺跡では、通行料を取り道路を整備しています。

そのように目に見えて納得できるなら、お金を払うことは構いません。


訪問者が何を求めて屋久島へ来るのか?そこを良く考えて欲しいです。

一元的に徴収し有効に使われ収支の報告が公正にされるなら、環境キップでも、入島税でも払います。

ただ、無駄なお金は払う気はありません

一旅行者ですが、協力金自体なら私も賛成です。
少々堪える金額なら生半可な気持ちで来る輩に牽制を加える事もできますし、
(逆に「金払ったからお客様だぞ」気分になられると困りますが)
森の治療や美化、自然保護最優先で最低限の安全確保整備など、有効利用されるのならば。

それが、昔の関所みたいに徴収者達の良い様に使われて、
有難迷惑な人工物を設置され、それが呼び水となって荒れてもそのまま放置となると、
「私は自然を守ってくれると信じて払ったのであって、あんた達の裕福な生活の為じゃない。」と文句言いたくなりますね。

堂々と経理情報を公開できる状態になって欲しいですが、
今は知らない方が幸せだったのかも・・・

ハイゴケ屋さん ねこさん 小川さん yumeoさん つぼやんさん コメントありがとうございました。

昨日鹿児島県の谷口さんのお話をうかがってきました。谷口さんは誠実な方なのですが、各行政期間の調整が大変で苦しそうでした。

でも利用者の意見をよく聞いて、納得できる計画を作ってゆこうという発想はあまりないようでしたので、将来展望のあるプランであれば皆協力してくれるのだ、「緊急」を口実におかしな計画を立てられても納得できないのだと、皆さんのご意見を伝えてきました。

確かにいろいろ複雑化して厄介な話になっていますが、本来はこの屋久島の自然を皆で大切にして、うまく使ってゆこうというシンプルな話にすぎません。

今後ともいい智恵をお貸しください。
   

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