太忠岳~安房小6年学級登山 2007.12.9
安房小学校6年生の学級登山。みんなで太忠岳に登ってきました。
太忠岳は安房村の奥嶽です。
安房小学校は、おそらく全国最大級ではないかという広大な敷地と、豊かな自然環境を誇りとします。夜な夜なヤクシカの遊ぶグラウンド周辺の草刈りに、歴代校長先生の勤務時間は少なからず費やされた、というほどです。
安房川の谷間のはるか山奥には太忠岳がそびえ、児童は目の訓練のため、日々山頂の天柱石を凝視する、という惚れ惚れするような素晴らしいロケーションです。
この太忠岳登山は、登頂に6年生児童と学級PTAの総力を挙げて臨む、まさに小学校時代のひとつのクライマックスというべきイベントなのであります。
12月にずれ込んだこともあり寒さが心配でしたが、当日はあたたかい穏やかな登山日和で、学級PTA委員長のAさんを総隊長とし、児童29名、教員2名(校長先生とハードな忘年会明けの担任のN先生)、親22名の総勢53名という大所帯ながら、ケガもなく楽しく登頂することができました。登山隊長としては、子供よりむしろ(Hさんなど)親の体調や膝の方が気がかりでしたが、それもなんとかなったようです(笑)。
現在屋久島では、各集落がさかんに嶽参りをリバイバルさせはじめています。ですが、考えてみればこの太忠岳学級登山も、大字安房の12歳の村民全員が奥嶽である太忠岳に登拝するという、嶽参りの形式を持つ行事です。
他にも永田中の永田岳登山、小瀬田小の愛子岳登山、神山小の本富岳登山、最近では安房中の縄文杉登山、そして屋久島高校の宮之浦岳登山など、学校登山は地域とともに、ときどき断続的になりながら、続けられてきました。
かつて島津藩政時代の嶽参りは、島をあげて屋久杉伐採の免罪のために行っていたもので、稼ぎのための切実な意味を持っていました。しかし昔の信仰を形だけ現在復活させても現実的な意味はありません。
しかし現在の学校登山は、子供たちは屋久島の存在感や奥深さを身をもって知り、親はともに大汗をかきながらその子等の健やかな未来を祈る、そういう行事として、新たな伝統を築きつつあるように思います。
6年生はN先生の熱意ある指導のもと、いろいろ悩みながらもやわらかな雰囲気を持ったいいクラスです。この学級登山に同行できて親として幸せでした。
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