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2008.07.11

クライミング記録集『屋久島の白い壁』 米沢弘夫著

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『屋久島の白い壁』 米澤弘夫 (鹿児島黒稜会 九州大学山岳部OB)自費出版 ¥3000 

「モッチョム岳、七五岳、大障子岳。屋久島の巨大な岩壁を次々と開拓した伝説のクライマーが、その足跡をついに一冊に著した決定版!」

屋久島には大きな花崗岩の壁が多い。モッチョム南壁の突っ立ち具合など、人里から見える岩としては国内最大のもので、七五岳北壁(↑表紙写真にその登攀シーン。またYNAC屋久島イラストマップの左下部に描かれている岩山がそれ。)や、永田の村から永田岳左にちらりと見える巨大な大障子岳南西壁とともに、屋久島三大岩壁と呼ばれている。

他にも二又川オナゴニタ奥壁や鯛之川千尋滝左スラブなど目立つ壁は数多く、あんなの登れるのだろうかと、つくづく見入ってしまうこともある。

それらの壁をことごとく開拓したのが米沢先生である。先生とお呼びするのは、私の出身校である鹿児島大学の現役理学部教授でおられるからだ。

私はワンダーフォーゲル同好会に所属していて、沢登りをするために日々グラウンドで走ったりしていたのだが、そこへ毎日颯爽と現れて鉄棒できっちり30回懸垂をして去ってゆく米沢先生の姿には、なにか格の違いといったものが感じられ背筋がのびる気がしたものだった。

先生は1970年代の鹿児島大山岳部顧問としての活動からしばらく期間を置いて、90年代にはいり、本格的に屋久島の大岩壁のフリークライミングに取りくみ始め、2008年の現在まで毎年画期的なルートを開拓し続けた。

ロック・クライミングといっても、プロテクション(ボルトなど)の整備が行われグレード付けまで済んだ既成ルートの登攀と、まったく誰も登ったことのない壁にルートを切り開くのとでは、人間の事業としてスケールも重量感もまるで次元が違うのである。

この本は徹頭徹尾、一連の岩壁開拓登攀の記録集だ。テクニカルな記述はもちろんだが、開拓に賭ける熱意と戦慄、作業のなかでの恐怖と成功の爆発的な歓喜、仲間との強い絆や、身勝手なパートナーへの苛立ちなどがリアルに描き出されている。

岩登りの記録集として圧倒的なバイブルであることは論を待たないが、クライマーでなくとも、あのモッチョムの岩壁を見上げてなにか胸にぐっと来るものを感じた人には、ぜひこの米沢先生の人生を読んでいただきたい。

島内では宮之浦の「書泉フローラ」と、安房の「泊書店」で販売中です。島外の方は小原まで連絡いただければ手配します。

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屋久島本の世界」カテゴリの記事

コメント

日記で紹介しちゃいました・・・・事後承諾失礼つかまつり・・・・・

shinobu 様

それはどうもありがとうございます。購入のご予定はありませんか??

ひとまず買いました。良い情報を有難うございます。
あ、買っときゃよかった、では手にはいらなそうですもんね。

これを見て岩に取り組んでくれる人がいたら、と米沢先生もおっしゃってました。

なんといっても「東稜」ですね。秋に行くか…

はじめまして、こんにちは。

屋久島の白い壁を購入したいのですが、今でもまだ可能でしょうか?
ぜひ、よろしくお願い致します。

度々、すみません。

鹿児島黒稜会のHPから直接購入することができました。
情報、どうもありがとうございました。

yamato様
こちらの在庫も切れていました。入手できてなによりです。

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