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バイオトイレ、またも不調です。使えません。
バイオトイレは便槽のおがくずをモーターで撹拌して分解を進め、同時に水分を蒸発させる仕組みになっています。ところが屋久島の多雨の中では水分が蒸発しないのだそうです。で、ねっとりしたおがくずが壁や天井にくっついてしまい、分解が思うに任せないのだとか。
というか、屋久島の湿度や降水量くらい事前調査をしないのだろうか?
また雷による通電でシステムの基板がやられるのだという話もあります。脆弱ですね、このバイオトイレ。
そこで先日の観光協会総会で、バイオトイレを町に引き取ってもらうことが決まりました。
大株歩道入口トイレ。
あの循環水、ひどいですね~。茶色でまったく分解などされていないのでは。たんに増えた分汲み取りしてるだけなのでしょうか。
「自然に親しむ集い」コケの観察会を荒川林道とヤクスギランドで行いました。講師は小原と島内コケの最高権威であるH田ヤッシー氏の2人。いやあ私は実に楽でした(笑)。
『屋久島のコケガイド』が出版されてもう4年目です。この間に観光バスが明らかに増えて、4年前に観察会を行った淀川林道のポイントでは、危なくておちおちコケも見ていられなくなりました。
で、去年から朝夕はにぎわっているものの日中はほとんど誰も来ない荒川林道へシフト。群落としてはそこそこですが、狭い範囲に沢沿いのものから尾根の上の雲霧帯性のものまで、基本的なものがいろいろ揃っており、観察会にはなかなかいい場所です。
参加者は常連さんが多かったのですが、初めて会ったときはちっちゃな1年生だった子が、もう6年生になっていたりして、月日の経つのは全く早いものです。
今回は、できる6年生が3人いましたね。
また、昨年末の屋久島高校で岡山理大の西村教授がおこなった「高校生のためのコケ講座」出身者のM君が一人で参加してくれました。
参加者の他に来ていた環境省、県財団、自然館、いずれも若いスタッフが多く、熱心にメモなどとってくれるので、こちらも責任を感じます。
しかし屋久島に転勤になって、自然を相手に働く職員の、初期屋久島自然教育を行うとしたら、われわれエコツアーガイド層が一番適任ではないのかなあ、と思いました。
事情があって、写真がありませーん。
今回の縄文杉ルートの利用制限話について私の見解は、次のとおり。
①縄文杉ルートの1日利用人数上限は、屋久島の関係機関で現実に検討されている。しかし寝耳に水、という反応をしている関係機関等も多く、今回の読売新聞の早とちりな報道は、必ずしも方針の決定を意味するものではない。
②縄文杉で起きている現実の問題を検討すると、むしろガイドなどの島民を含む利用者の増加によるルート中の「人口密度」の増大によるストレスが様々な形をとって、利用者の不快感や島側関係者の感情的対立など、何かと問題を生み出しているように思える。
③したがって、訪問客を悪者扱いするのではなく、縄文杉ルートの「人口密度」を下げることで、種々の問題を解決することができると考える。
④この「人口密度」を下げるために現実的に可能な方法は2つ。1つは報道されたような利用者数の制限。もう1つはルートの拡幅、あるいは第2大株歩道の建設によるループ化など、自然への影響を許容範囲内に抑えながら空間を広げて、現在程度の人数の利用を維持する方法である。
⑤私自信はどちらでもいいと思う。人数制限をしたとしてもすれ違いの大変さはたいして変わらないわけだから、いずれにしても大株歩道の拡幅はするべきだ。ただ大株歩道の周辺一帯は大伐採エリアなので、今更歩道の一本や二本作っても自然に影響などないし、ループ化するほうが楽しいと思うが。
⑥話は変わるが、大株歩道の階段群の手すりの設置こそ、最優先でやるべきだと思う。転落死者も出ているのに、関係機関は何をやっているのか。
⇒樹齢1000年超の屋久杉が茂り、霧に煙る神秘的な島。そんな屋久島のイメージは、激増する観光客のし尿や踏み荒らしのため崩壊寸前だ。
屋久島の将来をどうするか。事実に基づいて、現実的に考えなければならない。イメージをもとに感情的な議論しても百害あって一利なしだ。
だいたいその土地のイメージは観光地としての戦略を立てる上で重要な資源である。それをこのような記者の勝手な思い込みで台無しにされてはたまらない。真実を見ず、屋久島のイメージをいたずらに悪化させているのは、この宮沢記者や朝日の須藤大輔、鈴木彩子記者のような一部のマスコミ各位ではないのか。
前の記事で書いたように、し尿の問題も登山道も拡幅も、考え方の問題であり、管理手法と設計の問題だ。現実的に処理すれば済む話なのである。それがなぜできないのか。現実に何が問題なのか。問題があるのならそれを打開するにはどういう仕組みが必要なのか。客観的に取材のできる新聞記者のような人たちには、そういうところを鋭く突いてもらいたいものである。
⇒ 今月9日午前5時半。小雨降る平日にもかかわらず、登山道の発着点にある荒川口のトイレには、10人の女性の列ができていた。片道11キロに及ぶ縄文杉への登山道にトイレは3か所しかない。登山道を外れて用を足す人が後を絶たない。
世界遺産登録の翌年に荒川登山口トイレ(1994年)、2000年に縄文杉登山者が1日平均200人を超えると2002年に大株歩道入口トイレ、2006年に日平均300人を超えると2007年に小杉谷バイオトイレが、必要に応じて、後手後手ながら建設されている。高塚小屋 トイレ(1970年)しかない状態からすれば、大いに改善されていると考えるべきだろう。
問題は高塚小屋トイレからの搬出と、分解型トイレのメンテナンスなのである。分解型トイレはまだ実績が浅く、選択した設置者の責任は問われるべきだが、それでメンテに手間取るのは仕方があるまい。国内における屋久島の責任として実験性は必要なのだ。
それから自然を知らない人はどうしても思い込みがあるようなのだが、自然の中では野外トイレが基本である。排泄物は生態系に吸収・分解してもらうのが最善の方法だ。特に屋久島のような強靭な生態系に守られているところでは、自然分解力を最大限生かすべきだと思う。
4つのトイレを持つ縄文杉ルートは、もう十分に整備されている。そこで用を足しきれなかった利用者が野外トイレを使っても、許容範囲の中だと私は考える。
なお、トイレし尿の運び出しは高塚小屋など縦走の際の問題なので、縄文杉登山者とは事実上関係がない。
前エントリーの記事は 「屋久島で、2011年度から」「1日あたりの入山可能人数などを含めた全体構想を定め、関係省庁の認定を受ける。上限を300人程度にする意見が町などから出ており・・・」としている。
これは実際には屋久島の一日の入山上限ではなく、縄文杉ルートをエコツーリズム推進法にのっとって日帰り人数を制限したいというということであり、意味する範囲がまったく異なる。宮之浦岳その他のルートやエリアには関係がない。
この記事にかかわる問題点をいろいろ指摘しておく。
⇒「観光客の急増で自然破壊が進む世界遺産の屋久島」
この手の表現にはいつも二つの点で引っかかる。
一つ目。観光客の急増が自然破壊を進める、と一方的に決めつけるやり方についてである。
縄文杉を見に屋久島を訪れるのは悪いことなのか。
世界遺産に魅かれた観光客が増えてけしからんというのなら、そもそも世界遺産登録を推進して観光客を増やしたのは誰なのか。何のために登録したのか。
世界遺産は地元に自然保護意識を高めたという点で貢献しているが、実際に屋久島の自然を保護したのは自然公園法という法律と、森林生態系保護地域という林野庁の内部規定である。世界遺産条約が屋久島の自然を守ったのではない。
世界遺産の精神から言っても国立公園の目的から考えても、国民のために用意されている施設を利用する人が増えることを「悪い」という理屈はないだろう。問題は利用者のコントロールにせよ施設のメンテナンスにせよ、その施設をきちんと管理しない管理責任者の方にあるのではないか。
それに、「増える」というのは以前から比べるとという相対的な表現に過ぎない。屋久島は尾瀬や大雪山などの脆弱な自然と違い、強靭な森林生態系の成立する場である。現場の分析からどの程度の利用人数が適正かを科学的に見極めて初めて適正規模かどうかを判断できるのだ。
二つ目は、環境破壊が進んでいるという認識が、現実からずれている、ということである。
縄文杉ルートで問題となっているのは、トイレの管理と登山道の拡幅だ。
トイレの管理には分解型だろうと搬出型だろうと、環境省が現在検討している線に沿って安上がりで効率的な方法を選べばよく、費用と受益者負担の問題は、すでにレクリエーションの森保護管理協議会(会長:屋久島町長)が屋久島自然休養林(ヤクスギランドと白谷雲水峡)で有り余る協力金を訪問者から集めているのだから、これを受け取り方を変えて屋久島全体の予算として使えばいい。同一国有林内の貴重な自然のためなのだから、利用者がこれに反対するはずがないではないか。
登山道の拡幅は、木道の幅が狭く、対向者が来たら脇に下りてやり過ごさなければならないという設計の不十分さが原因だ。いまどき人気のある登山道や遊歩道ですれ違い可能な2者線(?)の歩道など珍しくなく、普通に考えれば大株歩道もすこし幅を広げればいいだけの話である。
思うに、いま屋久島の自然は昭和期における国有林の合計3万ヘクタールを越える大伐採の被害から、なんとか回復してきたところである。大株歩道は当時幅50cm程度の伐採用歩道として作られ、それが現在伐採などせず見るだけを楽しもうという利用者の増加によってそれが幅1mほどに拡がるという事が、どれほど問題なのか。たんに管理設計の問題ではないか。
そもそも現在の屋久島で本当に自然が破壊されているところは縄文杉ルートではないだろう。県道白谷線、県道ヤクスギランド線、それに南部林道である。あのような大破壊を行い、しかもそれは登山者のアクセスを容易にするためのものでありながら、大株歩道の利用が多いのはけしからんとは、どう考えても主張がねじれている。
「観光客増、荒れる世界遺産…屋久島に11年度から入山制限 」
というタイトルのYOMIURI ONLINE(読売新聞)6月20日付記事が島内外で物議をかもしている。
読売新聞地方部 宮沢輝夫記者の署名記事で、記事の前半はよくあるプレス発表風、中間に外部の事例や専門家の見解をはさみ、後半は宮沢記者自身のルポのようなスタイルをとっている。
島内各機関が島内の一部地域で入山制限を検討しているのは事実だが、率直に言って、前半はすっぱ抜きを狙った勇み足+事実誤認、後半はかなり思い込みの強い文章と評せざるを得ない。
各紙の動向を見ていたが、この時点で同様の記事を載せた新聞などは他にない模様だ。
ただ5月5日に朝日の鹿児島版にも、須藤大輔、鈴木彩子両記者の署名で似たような論調の記事が載っている。こちらの方が表現がえげつない。
ネットの記事はいずれ削除されてしまう可能性が高いので、以下に読売の全文を引用する。
環境省と鹿児島県屋久島町は、観光客の急増で環境破壊が進む世界遺産の屋久島で、2011年度から初めての入山制限に踏み切る方針を固めた。
昨年4月に施行されたエコツーリズム推進法の初適用を目指す。自然公園法とは異なり、地元市町村が立ち入り制限区域を指定できるのが特長で、違反者には30万円以下の罰金が科される。
屋久島は、推定樹齢7200年ともされる縄文杉や地表を覆うコケなどの自然美や生態系が評価され、1993年、白神山地(青森、秋田)とともに国内初の世界遺産に登録された。
登録をきっかけに入山者が急増。08年には10万9000人に上り、休日の入山者は1000人前後に達することも珍しくない。特に、し尿の現地埋め立て処分が限界にきている。
04年、環境省からエコツーリズムのモデル地区に指定された。町、環境省、国有林を管理する林野庁などでエコツー推進協議会を発足させ、ガイド制度や過剰利用対策を議論している。
今後、1日あたりの入山可能人数などを含めた全体構想を定め、関係省庁の認定を受ける。上限を300人程度にする意見が町などから出ており、日高十七郎(となお)・屋久島町長は「世界遺産を守るのは我々の責務」と強調する。
屋久島のほかには、沖縄・慶良間(けらま)地域がサンゴ礁保護のため、エコツー推進協で立ち入り制限を検討している。また、自然公園法に基づき、吉野熊野国立公園の一部で入山制限がある。
国立公園協会(東京)の鹿野久男理事長の話「入山者のマナー徹底や、ガイド同伴を入山の条件にする制度も同時に実現させれば、モデルケースになり得る」
◆エコツーリズム推進法=過剰利用地域の立ち入りを制限して観光資源の保護を図ることで、ブランド力を高め、観光振興との両立を目指す。環境保護意識の高まりを受け、議員立法で成立。罰則もついた。屋久島は霧島屋久国立公園の一部だが、国立・国定公園以外でも適用できる。
◆木の根・コケ踏まれ、トイレ足りず◆
樹齢1000年超の屋久杉が茂り、霧に煙る神秘的な島。そんな屋久島のイメージは、激増する観光客のし尿や踏み荒らしのため崩壊寸前だ。
今月9日午前5時半。小雨降る平日にもかかわらず、登山道の発着点にある荒川口のトイレには、10人の女性の列ができていた。片道11キロに及ぶ縄文杉への登山道にトイレは3か所しかない。登山道を外れて用を足す人が後を絶たない。
5キロほど先には、ログハウス風のバイオトイレがあるが、「メンテナンス中」の札が下がっていた。男女兼用で、数も2基しかない。大型連休中に利用量が限界を超え、おがくずによるし尿の分解ができなくなり、1か月過ぎても復旧できずにいた。
植生荒廃も危機的だ。一部に木道もあるが1人分の幅しか確保できないため、観光客はすれ違う際に道をはみ出して歩く。削られた地表に雨水が流れ込み登山道の幅が広がったり浸食されたりする悪循環が続く。
ようやく到着した縄文杉は、木製デッキの上からしか見物できない。観光客による踏み荒らしで根っこが露出し、遺産登録から3年たった1996年に設置されたが、カメラを手にした人でごった返していた。
「大きな木の裏でするんだよ」。縄文杉を過ぎて約50メートル辺りで、男性ガイドが女性客3人にトイレットペーパーを手渡していた。3人は、進入禁止のロープをくぐって木の根やコケを踏みながら、原生林に消えた。
環境省は今季、携帯トイレの普及に取り組んでおり、大型連休中に縄文杉ルートで試験実施もした。ガイドも承知のはずだが、「やむを得ない」とあきらめ顔だった。(地方部 宮沢輝夫)
(2009年6月20日14時41分 読売新聞)
ヤクシマタゴガエル。白谷でピュン!、と跳ねて逃げるカエルがいたら、たぶんこれです。ヤマアカガエルに似ていますが、ひっくり返すと・・・
のどに黒い点々があるのがタゴガエル。
ヤクシマトゲオトンボ。川のトンボで、ヤゴは池ではなく川の淵などで育ちます。このトンボは羽化したてのほやほやらしい。
キセルガイの一種。たぶんハラブトキセルガイだと思うのですが・・・。屋久島にはこの仲間が8種いるようで、あまり調べていないのでよくわかりません。倒木の木口の藻類や菌類がぬるぬるしているようなところによくくっついています。
会津では桑畑にいるキセルガイをいろいろ薬にすると聞きましたが・・・?
旧暦の皐月ともなれば、川岸にはサツキが満開となります。雄蕊のやくから白い花粉がこぼれ出し始めています。
花粉は丸かった。
そこへサルの母子が現れて、
サツキの花をむしゃむしゃ食べ始めました。
このお母さんは、最近生まれた仔ザルを抱っこしています。花なんか食べて、乳の出はいいのだろうか?
梅雨を迎えた白谷は、旺盛に茂るコケの中に、小さな白い花がいろいろ点在しています。これはヤクシマスミレ。白谷川沿いのみずみずしい日だまり。
蕾がダブルでついてます。これは・・・
ヒメツルアリドオシです。この花は一年後に・・・
こういう実になります。
コガクウツギ。この季節のアジサイ類にはほかにヤクシマアジサイ(ヤクシマコンテリギ)とツルアジサイがありますが、つる植物ではなく葉が5センチ以下の小さいものはこのコガクウツギです。
落ちていたサカキの花。ツバキの仲間で、花弁と雄蕊がくっついたまま木のまわりに落ちています。サカキやシキミは普段葉のついた枝を神仏に飾るので、花を見たことのない方が多いと思いますが、ちゃんと咲くし実もなります。
エゴノキ。麓のほうでは春も早いうちに咲き終わっていたような気がしましたが、白谷はやっと今終わり、現在ヤクスギランド方面で咲いています。清楚な花で、落ちた後もいい香りがします。
屋久杉の大切り株の中に咲いていたこれは、ギンリョウソウ。
透き通るように白い花を覗くと、青い雌蕊に黄色い雄蕊。なかなかきれいです。
ギンリョウソウは複雑な暮らし方をする植物で、葉緑素を持たず自分では光合成をしません。キノコに寄生する、表現が難しいのですが、「菌根菌寄生植物(きんこんきんきせいしょくぶつ」。樹木と共生して炭水化物を得ているキノコ(菌根菌)に寄生して、炭水化物をだまし取っている植物とのこと。この季節にとつぜん花だけを地上に現します。今年の白谷ではよく目にしますね。
これらの植物、そういえば全部白いですね。
梅雨時の日光のなかで、昆虫の目には白がよく目立つからなのだ、という説明を聞いていますが、ずいぶん我々の見る世界とは違うのでしょうね。
鈴川でYNAC沢登りスタッフ研修を行いました。参加者はK、H、Oの三名です。
写真を・・・と思ったら今日に限ってだれもカメラを持ってきておりません。仕方がないので昔の写真で代用~。
↑こういう面白そうなところで、リスクがどこに潜んでいるかを確認しつつ、いかに安全かつ挑戦的に突破するか、アイディアを出し合ってゆきます。クライミング技術は必須で、各ポイントでどういう確保システムが適切か、メンバーに対してどういう指示が適切か、といったことも丁寧にチェック。
スタッフに沢登りの技量がなくては話になりませんので、沢独特のクライミング技術の「特訓」も行います。といっても登りがいのある滝とかゴルジュ突破などではなく、技術指導をするために理解しておかなくてはならない基本的な理論を確実に身につけておくためのプラクティスが主なもの。
また慣れないうちはどうも滑りそうな気のするフェルトソールを、いかに使いこなすかが重要です。水量が少なくなった秋などはアクアステルスなどのキャニオニング用ラバーソールが快適なこともありますが、水量が多く、付着性珪藻のぬるぬるが避けられない時期はフェルトソールしかありません。
巨大な淵へGO! 『YNAC通信26号』の表紙を飾った、Tちゃんのスーパーダイブショット。関係者の間では大受けだった一枚です。
良く見ると、その足元左方面の水底に変なものが見えます。
顔ではありませんよ(笑)。水底に穴が開いておりまして、どうみてもポットホール=甌穴です。この穴、いったいどうやってこんなところに形成されたのでしょうか。
ポットホールにはさまざまなタイプがあります。峡谷のものは、一定の水流が砂や石とともに岩盤の一点に作用して丸い穴をあけた小地形です。
このポットホールには、以前から気が付いていました。上の合成写真ではもっとはっきり見えていますね。このように大きな淵の水底の岩盤に開いています。右のI郎隊長はマスクを装着して潜水調査をしようとしていますが、水深がそもそも2mあり、そこから深~い竪穴になっていて、潜りでは鳴らす隊長も穴の底まではたどり付けませんでした。
しかし、この状況で、あの地点に水流が集中するなんてことはありえませんよね。特にクラックなどの弱点もありません。手前は10m近い水深になって、底も見えないほどです。
さて、このポットホール、いったいどうやってできたのでしょう?
今年は「ポッターズ」として、このようなポットホールの形成に迫ってみたいと思っています。
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