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2009年11月

2009.11.26

原生林に埋もれた古道をゆく~愛子岳小杉谷ルート

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本当に地球が丸いような気がする。愛子岳から太平洋の展望。

環境省チームの世界遺産調査に同行してきた。場所は世界遺産の東の腕、小杉谷~愛子岳。国有林伐採のはざまに残された、白谷雲水峡よりも狭い森だが、伐採の進んだ屋久島東部にあってはその貴重さはかけがえのないものだ。

その中に、小瀬田から小杉谷へと続く、古道が通っている。小瀬田~愛子岳間はひたすら尾根登りの続くきつい道だが、山頂直下から小杉谷へは緩やかな深い森の中をゆく歩きやすいいい道で、学生の頃(30年も前!)よく縦走のコースとして使っていたし、5年ほど前まではしばしば通っていた。

今回の環境省調査同行は、だから5年ぶりということになる。屋久島に住んでいるからと言って、全コースを毎年チェックできるわけではないので、インターバルはまあそんなものだが、台風ギャップがあちこちあったので、道の状態は気になっていた。環境省のMさんに声をかけていただいたので、渡りに船とゆくことにした。

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道はこんな雰囲気。以前のビニールテープに加えて、誰かがここ2~3年の間に突破したらしく、ところどころピンクテープが付いている。道はあるのだが、なにしろわかりにくい。かなり山慣れした人でも、迷うところは多いだろう。

 

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愛子沢の渡渉点。昨日の雨でけっこう増水している。なんとか渡れる程度だった。雨の後は無理だろう。なおエアリアマップなどの登山地図にこの路線が記されていることがあるが、ほとんどは線が間違っている。

 

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でもさすがに古道で、森のしっかりしているところは道型もしっかりしている。このように要所には石段が組まれ、歩きやすい。平らなところでは、完全に消えているように見えるところもある。

 

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山頂直下の急な巻き道(←ここは万一落ちると取り返しがつかない。固定ザイルがほしいところ) を経て小瀬田からの道と合流し、ここからは一般ルートで頂上へ向かう。山頂部はこのような岩場が数か所あり、なかなか難所だ。乾いていれば大丈夫だが、冬場に雪や氷がついた時は、ザイルをつけた方がいい場合もある。愛子岳と本富岳は、安易に登ったり、人に薦めたりしていい山ではないと思う。

 

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頂上は快晴。素晴らしい展望が貸し切りだ。宮之浦岳方面を望むと、伐採後は落葉樹が多くやや白っぽく見え、原生林は黒々と見えるのがわかる。

左やや上に広がる青い谷間は安房川小杉谷の上流。太鼓岩から見える風景をさらに俯瞰する位置にあたり、かつてはその禿山ぶりに、知人で屋久杉材の運搬をされていたAさんがあきれて「切るも切ったもんだ」と語ったところだ。右手の双耳峰はヨウジガ高岳で、その下の黒々とした森の谷間が白谷雲水峡。写真中央やや右はゲンタンクボ(愛子沢上流)で、落葉樹が目立つ。

 

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その左は太忠岳・石塚山から荒川方面。写真では不鮮明だが、愛子岳から黒っぽい世界遺産地域が石塚山へ帯状に続いているのがわかる。 いつも天柱石から愛子岳に人が登っていないか見るので、反対に双眼鏡でのぞいてみたが、よくわからない。雲の下には荒川ダムが、昨日の雨で満タンになり、放水しているのが見える。

 

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このルートはモミの大木とスギの切り株が多く、なぜかスギの成木は少ない。引き返す道すがら、何気なく入ってみた切り株の中が、巨大な空間になっているのを発見。2本合体しているようだ。ウイルソン株より一回り小さいくらいだろうか。思わぬ見っけものだった。

 

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小杉谷も間近。間伐林の中を行く。このルートを登る場合、小杉谷から登り口を探すのがかなりの難関だ。

増水した千尋滝と大川之滝

雨がちな11月です。24日にはまとまった雨が降り、屋久島の川は増水中。大雨の千尋滝展望台からの映像は、傘をさしながら撮影したので、ぐらついてすいません。 大川之滝はそれほどの水量ではありません。しかし展望所コンクリートテーブルも遊歩道も、滝壺がオーバーフローすると完全に濁流に没する位置。ものすごい鉄砲水がきたらどうしよう?と、不安になります。

2009.11.19

遅い夏休み~津島神社と伊勢長島

友人、というのか、里子のような人の結婚式に出席。ついでにしばらくご無沙汰している親友に会いにゆき、その合間に気になっていた場所を訪れたりと、いろいろ詰め込んだ旅行をしてきた。夏から秋にかけて動きづめだったので、大分遅くなったがいい夏休みになったと思っている。先日の温泉川やスラブ滝は休暇ではなかったのかという声が聞こえるが、あれは出張ないし精神的技術研修というものである(笑)。

このところ機会あるごとに出かけているのは、近畿・東海地方の神社と寺だ。この年で寺社巡りが趣味というのもどうかと思うが、興味の対象がそうなのだから仕方がない。ただしある時代に大きな経済的イベントを起こした寺社が面白く、そういうところを選んでいる。

4月は伊勢神宮外宮内宮に行ったが、今回の結婚式後には愛知県津島市の津島神社に行ってみた。これは「センゴク外伝 桶狭間戦記2」(宮下秀樹,講談社)にもろに影響されているのだが、あの織田信秀がこの津島神社を支配下に置いて伊勢湾海運の元締めとなり、信長へと続く織田家隆盛の基礎を作り上げた、というところにいたくツボを突かれた。

行ってみれば、かつては活気のある港湾都市だったはずだが現在は内陸になって、当時の面影はない。立派な神社だがなんということもなく、やや期待していた宝物殿も閉鎖されていた。解説版の類には、お伊勢参りに行くときに、伊勢だけでは片手落ちで、津島にも寄らないとだめなのだとされていた、と書かれていたのが新鮮だったものの、津島側にそう書いてあるだけでは当然鵜呑みにはできない(笑)。しかしこの神社に集まる寄付金の巨額なことには驚いた。皇室から中京圏の社長クラスまで、百万円規模のスポンサーがごろごろいるのである。格式というものか。

駅前の魚屋に「ふなみそ」と書かれた紙が貼ってあったのにそそられたが、残念ながら閉まっていた。「桶狭間戦記」にも描かれていたが、津島神社の牛頭天王祭は素晴らしいものらしい。

ついで津島に近い伊勢長島に行った。これも本編の「センゴク天正記」に出てくるのだが、信長が津島に陣どり、一向宗徒を制圧し大量虐殺したという、あの長島攻めの現場である。長島駅に降り立つと、・・・なにもない。ただ木曽川と長良川に囲まれた中州島がひろびろと続くのみ。

地図を眺めていると、しかし興味深いものがあった。あの長良川河口堰だ。屋久島からここまで来たみやげにこれを見学して、名古屋に戻った。なぜ信長なのかというと、これは種子屋久に大いに関係するからなのだが、それはまたいずれ。

2009.11.12

倒木の切り跡

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白谷雲水峡。直径1mほどの大きな倒木に、刻まれた刃の跡。

よく「試し切り」と言いますが、これはそうではなく、切り倒した後、割板に加工するために切断したものです。板にもいろいろあり、小は屋根用シングル材(平木)から、大はテーブルのように大きな版木まで、各サイズ製作されたようです。

ところでこの「刻み」、何で切ったのだろう。鋸でしょうか。だとすれば切断線がもっとまっすぐだろうし、幅もこんなに広くないはず。やはり斧かなあ。

実は最近誰かがチェーンソーで切り取ろうとした、ということもあり得ますが(笑)。

しかしここまで作業しておきながら、結局使わなかった。

これまた、何本も切り倒しておいて、必要に応じて製材したらしい、という話も伝わっていますので、たまたま置いておいて、そのままになったのかもしれません。

その時に現場でどんなことをしていたのか類推するには、実際に作業経験がないと見当のつかないことが多いですね。なかなか難しいものです。

さて、明日から所用で出かけます。17日ごろ屋久島に戻りますので、その間更新はたぶんありません。ではまた。

2009.11.08

白谷の青い幻影

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白谷雲水峡で写真を撮っていたら、このような青いクラゲのようなものが写っていました。

妙ですね。ある一定の条件下で写るらしいのですが。

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こんなのもありました。

天使? クリオネ? それともプロペラ飛行機か?

コダマ写真にもけっこう熱中して、かなり面白い写真を撮れるようになってきましたが、これからはこの青い幻影を追ってみようかな。

そういえばコダマ写真の「鑑定」があるそうです(笑)。これは間違いなくコダマの写真である、などと認定してくれるそうですよ(笑)。

2009.11.07

海外溯行同人総会@熊本 市房山 2009.10.31~11.1.

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市房山 白水滝雄滝。市房花崗岩の北西縁にかかる高距100mのスラブ滝。クライマーはH教授。中段テラスのロゴマーク風ポットホールに注目。はるか上空に張られた吊橋からその全貌を見ることができる。北に150mの雌滝がある。

  

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10月31日、熊本県の市房山キャンプ場で、海外溯行同人の総会が開催された。東京、大阪方面と、九州からの参加者で30名ほどのいい感じの会になった。台湾からは溯渓協会会長の荘再伝先生と、国の技術研修プロジェクトで世界を回っている“風雲娘”の李佳珊さんが参加された。

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海外の沢登りやキャニオニングの報告と並んで、総会に合わせて発刊された会報 『海外溯行研究No.2 韓国の谷と山1983~2009』 が、紹介された。創刊号『No.1台湾の谷1963~1993』に続いてこれまた編集の労を取られた代表の茂木さんの力作で、グラビアページの花崗岩の渓谷群を見ているだけで、むずむず韓国へ行きたくなる。

幹事役の八代ドッペル登高会の皆さんが、素晴らしいチームワークで会を運営してくださり、卓上には珍味・うまいものがどどっ並んだ。なかでも必殺の「桜納豆」にはうならされた。

席上、屋久島の沢登りの大先輩である、あの熊本ヤブコギマーズの中枢メンバーが、しばらくぶりに一同に会すというハプニングがあり、テーブル1つがKYC同窓会と化したのも楽しかった。

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翌11月1日のエクスカーションは、ドッペル会員にして同人のCさんがアレンジしてくださった、白水滝の登攀である。おりあしく雨になってしまい、入渓地の市房阿蘇神社で、みんな思案に暮れていたが、茂木さんの「行こ。」の一言で全体GO。

屋久島か台湾かというような巨岩帯を超えてゆくと、50mほどの大滝が現れた。これはまだ登られてないということで高巻き、谷に降り立つと、さらに数十mの大きなスラブ滝が続く。

上の写真は中段のポットホール。左が風雲娘の李Jasmin佳珊さん。ときおり雨が激しくなる。屋久島はこんなもんじゃないでしょう?とか聞かれるとつい、まあね、なんて答えてしまうが(笑)、この大滝のど真ん中で増水してきたら、笑ってすまないかも・・・と思ってたりして。

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最上段は濡れていては少々厳しく、高巻いた人が上から垂らしてくれたロープに頼ってゴボウ登り。この上は楽しい滑滝が岩造りの大堰堤まで続く。

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滝のはるか上空に張られた大吊橋の凄さは半端ではない。雨に濡れた美しい紅葉の斜面の中、眼下に100m以上も、奈落の底まではるかに落ち込んでいる巨大な滝を見下ろせるのだ。北隣の雌滝はさらに凄く高さ150mもあるのだが、こちらは湧きあがる雲の中に消えていた。

まったく素晴らしい半日コースがあったものである。エクスカーション終了後、湯山温泉と手打ちそばで解散となった。短くも充実した総会だった。

2009.11.06

ニュージーランド北島 コケと巨木の森ツアー開催します

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ニュージーランドの岡田愛さんから資料がどさっと届きました。年末年始のニュージーランドツアーのための数々の書籍やパンフレット、地図など。これを読んで猛勉強しろというわけです。手厳しいぜ、愛ちゃん。

しかしカウリの巨木のUnbelievableな伐採風景写真や、エダハマキ・ナギ・ダクリディウムなどのゴンドワナ系針葉樹の巨木など眺めていると、心が躍ります。これらの不思議な針葉樹は、ボルネオのキナバル山ですでに見た、なじみのグループが多く、赤道をまたぐ、植物の分布の一端を実感できそうです。

ニュージーランド北島の、カウリはおそらく南アフリカのバオバブと並ぶ、南半球最大の樹木ですし、後半に訪れるフィリナキWhirinaki Forestは、おそらく南半球最後のコケに覆われた巨木原生林の一つです。森が深いので、拠点となるロッジまではヘリで移動することになりそうです。なんて楽しそうな!

モスフォレスターの本懐を遂げん、といったところでしょうか。

キウイなどの飛べないニュージーランド独特の鳥も非常に面白く、この日程では絶対に短すぎる!と思うに違いない、とすでにあきらめています(笑)。

ツアーは任せて安心の風の旅行社主催、YNAC小原が講師です。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

風の旅行社 『ニュージーランド ワイポウア・カウリ巨木の森とフィリナキ森林公園』 

麦生のコスモス畠

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麦生のコスモス畠です。昨年その美しさが島内で大評判になりました。『生命の島』終刊号の表紙もこれでしたね。

農地の景観形成事業として補助金が出ているらしく、国内のあちこちでコスモスがきれいに咲き誇っているようです。

麦生の県道下の農地は、畑地帯総合整備事業(畑総)で20年ほど前に整備されたところです。千尋滝の展望台からよく見ると、滝の下に取水堰のようなものが見えますが、あれがこの畑を灌漑するための水源です。

思えばそれ以前の屋久島は、秋の渇水がひどい時には、雨乞いの儀式が頼みの綱だったのでした(笑)。・・・いや、笑いごとではありませんね。

しかし、春夏の気候が厳しい屋久島では、秋冬が屋久島の換金作物を育てる中心的な時期のはずなのですが、億単位の予算を使った畑も現在は余っており、いまや景観形成の一環をにない、みんなの目を楽しませて、少しは元を取っているというわけでしょう。

それでも畑地としてはちゃんと機能していますので、造成した後にそのほとんどを原野に戻してしまった畑よりは・・・いや、ウチの畑も実はそうでした。よそのことをあれこれ言う資格なし!

2009.11.04

秋にぴったり温泉川 (残念、屋久島ではありません)

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熊本県市房山で開かれる海外溯行同人総会に参加にあたって、前哨戦というか話題提供というか、霧島山塊の某川に向かった。車で連れて行ってくれたメンバーは、某国立大学の教授2人という豪華さ(?)である。

赤茶けた岩の色から想像できるとおり火山性の谷で、特筆すべきは、その上流に温泉がたっぷりわいているという点だ。

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初めは大してぱっとしない川原だが、少しづつこのような滝が現れる。10月も末だというのに、温泉の影響か水はあまり冷たくない、というより、ぬるい。さっと吹きつける谷風はふつう涼しいものだが、なんだかむわっとあたたかく、蒸し暑さすら感じる。

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川岸にはダイモンジソウがたくさん咲いていたが、そのなかにこんな花があった。屋久島に多いヘツカリンドウにそっくりなのだが、葉がずっと小さい。後で調べると「アケボノソウ」だった。

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進むうちに、川の水は「あったかい」から「熱い」へと変わってきた。川岸に温泉が湧いているというのではなく、川が温泉化している。私もそこそこ長く沢登りをやっているが、湯気を上げて流れている川など生まれて初めてだ。そろそろ入浴の場所を考え始める。

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砂防堤の下に滝壺のようなたまりができていた。露天の大温泉プールの趣で、湯温はまさに入りごろ。すばらしい!貸し切りなので好きなだけ泳げる(笑)。足の立たない深い淵だしやや白濁しているので、もし溺れて沈んだらなかなか見つからないかもしれない。

上流の源泉まで行ってみたが・・・地獄のようなものすごい景観には惹かれたが・・・熱すぎて、とても入れない。結局適温のこの温泉プールでくつろいだ。

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お勧めはこれ。源泉かけ流しの豪快な打たせ湯。放水口の下のいい位置に足場になる石が沈んでいる。ただしそこまでは泳いでいかなければなりません(笑)。

沢登りのルートとしてはまあまあだったが、温泉は期待以上のすばらしいものだった。アプローチはいいし、なにしろ水が温かいので、冬の雪見溯行などいいかもしれない。(※源泉付近の硫化水素(有毒)には要注意です)

2009.11.01

黒味岳秋色

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黒味岳の秋色。

これでも秋色です(笑)。いちおう紅葉してるのは、ヤクシマミツバツツジくらい。ほかはあまりぱっとしません。ほとんど常緑樹だし。

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これでも屋久島の天然林では、落葉樹が多い方です。ナナカマド、ヤマボウシ、リョウブ、ウリハダカエデ、イソノキ、オオカメノキ、ヒメシャラ、タンナサワフタギ、アクシバモドキ、マルバヤマシグレ、アズキナシ、それからカナクギノキ。けっこうブナ林のメンバーが入っています。

Momiji

毎年楽しみにしている、淀川のコハウチハカエデ。今年はとびきりきれいです。

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