« 屋久島観光協会の荒川資材運搬ボランテイア作業 | トップページ | いろいろ終了…しかし、まだ旅は続く… »

2010.02.15

縄文杉、むりやり事実上の有料化へ ・・・あ~あ

先ほどの町防災無線。

「環境政策課からお知らせです。3月から11月まで、荒川登山口において、募金活動、各種情報の発信・収集を行う業務員を募集します・・・」

あ~あ。

ついにやっちゃったよ。

3月から縄文杉荒川登山口のシャトルバス運行が決まっていた。登山口の休憩所も次第に出来つつあった。ここに管理人を置いて、「山岳部保全募金」を要求しようというわけだ。

事実上の縄文杉登山有料化である。

町の環境政策課はこれに反対して、推進しようとしている鹿児島県を抑えに回っているようなことを言っていたが、結局こういうことか。

「屋久島の保全のための費用負担を、環境キップを発行して来島者にお願いしよう」 というアイディアが、「林野庁がヤクスギランドと白谷雲水峡の協力金を頑として離さないから県と町は別途もらいましょう」 と言う話になり、これを批判されると、「人が増えてトイレが大変なことになっている、けしからん、と言う名目で 取りやすいところから金をとりましょう」 と転じる。

あげくの果てが、ヤクスギランドのよってたかって合計900円徴収である。

それでも、今後この募金を山岳部の施設管理全般に使う道筋ができた、という説明で観光業者などがそれなら、と募金に協力したのに、「一番よく集まったのが林野に頼んで協力金と一緒に集金してもらったヤクスギランドと白谷なので、やっぱり人をおいて取り立てなければだめだ」 ということになったわけである。

しかも募金なのだから出してやるかどうかは個人個人の勝手なものを、なにか払うのが当然のような態度で金を要求され、出さないと非難がましい顔でみられる。

係が徴収を良い事だと疑わずににこに座っていれば、お金を出さないと言う行動は心理的に取りにくくなる。素直な要求を断るのは相手を傷つけるような気がするし、「正しい事」を断ればまるで「悪い事」をしているかのような構造にはまってしまうからである。

協力金の徴収人を置くという行為は、このような人間の心理を巧妙に突き、金を出さざるを得なくなるように仕向ける卑劣な手段なのだ。個人的に言うと、このようないわれなき強制がでかい面をしてはばからないという事態が、なによりも不愉快だ。

なぜ協力金がだめなのかといえば、要求業務にこのような人員を雇う必要が生じるからだ。それも1人だと信用できないという理由で、2人以上を置く。この人件費は無駄でしかない。

さらに、なにか名目が生じるたびにあれもこれもと金を要求していい、という体制になる。取られる利用者の立場になってみれば分かると思うのだが、「どこに行っても金をせびるのね、ここは」 という土地になり下がってしま
う。

どんぶり勘定で何に使われれいるのかもよくわからない林野庁の協力金にくらべれば、保全募金はまだ中身が分かる。だからこそ一応協力する死背(←姿勢(笑))は示したのだ。しかし林野の協力金をつぶして、一本化するためには、この縄文杉荒川の徴収だけは絶対にやってはいけない。

と口を酸っぱくして主張もしてきたのだが、目のくらんだ行政各位には、ついに届かなかったようだ。彼らにしてみれば、ついに念願の縄文杉の有料化に成功した、ということだろう。

いやはや。

今ある雑誌の依頼で協力金に関する原稿を書いていたところなのだが、なんだかがっくり来てしまった。
かじ取り約を務めるべき行政がこんな体たらくでは、いったい屋久島、これからどうなってゆくものやら・・・。  

なお、人数制限の話も進んでいる。色々な案があるが、環境省案では荒川からの登山者数1日の上限350人(縦走を80人とみて計430人)となっており、全員から徴収すると1日最大17万5000円、年間300日程度稼働するとして5000万円近く収益いけそうだという皮算用なんでしょうね、これは。

…疲れた。

« 屋久島観光協会の荒川資材運搬ボランテイア作業 | トップページ | いろいろ終了…しかし、まだ旅は続く… »

エコツーリズムの動き」カテゴリの記事

◎屋久島『協力金』問題」カテゴリの記事

コメント

あ、そうそう。

縄文杉の迂回路、20日ころ開通しそうだ、と観光協会の西川君が言ってました。

パブリックコメントに対する県のコメントがいつのまにかアップされていました。
http://www.pref.kagoshima.jp/__filemst__/26892/gaiyoukanngaekata.pdf

〉募金の用途を避難小屋汲み取りトイレの搬出用にのみ限定する必要はなく,登山道整備等,利用施設全般の管理に使える基金とすべき。
県⇒今回の取り組みは,当面は,喫緊の課題となっている避難小屋トイレの人力搬出等,し尿処理等に係る事業の費用として募金を活用することを予定しています。

その他の意見に対してはオール「頂いた御意見は今後の検討の参考にさせていただきます。」でした。チャンチャン。

かなり面倒な島になりましたね。
制限でもなんでもしてくれ!と開き直りたい気分です。
金を払うと人間はかならずその見返りを要求するという当たり前のことがわかっておらんな。
昨今の入込客の減少傾向は不況だけじゃないと考えているのですが、予想があたらないことを祈るしかないですね。


先日はありがとうございました。⇒今後ともよろしくご指導お願いします。

携帯トイレの価格の件で、霧島に問い合せしました。
こちらでは内訳にいろいろなマージンが押しこまれていることなど話していたら、「・・・屋久島って、そんなかんじみたいですね」と、嗤われました。お恥ずかしい、としか言いようがありません。

今年も屋久島に行こうと情報を集めていたら、こんなことになっていたんですね。

大阪出身の私としては募金詐欺を連想せずにはいられません。
次々にお金の要る問題が出てくるあたりは死ぬ死ぬ詐欺の方が似てますか。
何年か前に大阪で流行した募金詐欺も、非難を逃れるため一部は実際に寄付するのですが、大半は経費の名目で、集金係のアルバイトの給料に消え、首謀者の懐に消え…という感じでした。
何も知らされないアルバイトは一生懸命がんばっちゃうけど、実際は社会犯罪を増長させてるだけで問題は解決に向かわず…
そのせいで京阪神では街頭募金はできない雰囲気になってしまいました。実際にはマジメな団体もあったとは思いますが。もう立っているだけで詐欺師を見る目で見られます。

たまの旅行者として心配なのは、募金で味をしめると、いつまでたってもトイレ問題が改善されなくなるんじゃないかなってこと。直っちゃうと募金集める名目が無くなるから。
改善せず、しかしダメにもならずが続いたら、死ぬ死ぬ詐欺と全く同じです。
せめて改善してからお金を集めて欲しいですね。

この記事へのコメントは終了しました。

« 屋久島観光協会の荒川資材運搬ボランテイア作業 | トップページ | いろいろ終了…しかし、まだ旅は続く… »

フォト

Twitter

リンク集

無料ブログはココログ