鹿児島大法文学部 屋久島実習 2010.5.14-16
鹿児島大学法文学部、萩野ゼミの『エコツアー入門』が開催されました。
内容については、「まかせます」(笑) とのことだったので、少々考えました。
自然科学系の学生は何かしら自然を見る目というか切り口を持っていることが多いのですが、文系の学生はまず感性でとらえることが多いようです。
では感性から行くか。業界で、よく「五感を使って・・・」というやつです。
感性といえば、まず「痛い」かな・・・ということで、最初に「トゲトゲ植物」というキーワードを与え、ここから切りこんでゆくことにしました。
また、フィールドワークの基本は地図ですよ、ということでワンコインマップを用意し、読図の基本も適当にやりながら行動。
林道の見晴らしのいいところで止まり、現在地を確認してから、その辺の植物などを観察。トゲトゲ植物はなにかしら必ずあるものです。
アシスタントに大森研修生が来たので、必然的に昆虫班が誕生。植物はまとめてみようということで、植物班も設立。キーワードは「パイオニア!」
標高があがるとコケが出てきたのでコケ班が成立し、紀元杉の胸高周囲を検証したり倒木の年輪をカウントしたりで年輪班ができ、というふうに興味の引っかかるままにテーマを決めて適当に班分け。
中日の午後にはちょうど大潮だったので、春田の離水サンゴ礁でタイドプール観察。やはり若者には動く生きものが人気ですね。トゲトゲのオチは、ウニということで(笑)。
いろいろ考察したり、カウントしたり、いろいろありましたが、とりあえず気をひかれたものに切り口を作り、そこから理解を広げてゆく。まあ理想的には何かがお気に入りになってくれるといいのですが、そこまで行かなくとも、切り口を持つことで自然に切り込んでゆく面白さ、ということは感じてもらえたかな、と思います。最後の夜には各班ごとにまとめて、一応プレゼンまでしてしまいましたし。
講師側の感想としては、やっぱり文系の人も自然科学系のフィールド実習を受けるべきではないかと思います。とくに教育学部の人には必要ではないでしょうか。理解する喜び、というものは、教育の現場も、エコツーリズムや環境教育の現場も同じものですから。
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コメント
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エコツアーに参加させていただいた学生です。
知識を与えていただくことで、屋久島をいろいろな角度から見ることができるようになったことが、非常に面白いところでした。また、自然と触れ合う際に植物や動物、昆虫にも興味を示すことができそうです。
本当に、ありがとうございました。
投稿: 遅れてきた大学生 | 2010.05.20 11:04
学生ともども、お世話になりました。
ここ数年毎年何等かの指導をしていただいておりますが、学生たちの反応がよくなっているのは、時代とガイド手法がレベルアップしているのではないかと思います。
文科系の学生に慣れてこられましたか?
さて、別記事にある「上野登」先生は、わたくしと同門にあたる先生でした。かなり院生時代には厳しく指導されたので、懐かしい名前がでて、ビックリしました。
またまた、こっそり屋久島に侵入しますので、よろしくお願いします。
投稿: 堅正 | 2010.05.20 11:05
お疲れさまでした。さて前回の経験を活かせたんでしょうか。
理系の人はわりと自分で遊べるんですが、文系一般は茫然としていることが多いですね。しかもトンデモ系に騙されやすいので放っとけないです(笑)。
今回のように、まず「切れる刃物」を持たせる、という手法は有効かもしれません。
しかしさすがにコダマが本当にいる、という人は減ってきたような気も…(笑)。
投稿: mosfo3 | 2010.05.22 22:50