『山と渓谷』7月号 「山の論点 世界遺産管理に司令塔を!」
ヤマケイ7月号『山の論点2010』に「世界遺産管理に司令塔を!」196-197ppを寄稿しました。←屋久島の協力金類に「あれれ?」と思った方、ぜひご一読ください。
「協力金」問題は、ローカルの行政鳩首会議に任せておくと、どんどんおかしな方向へ進んでゆくので、すこし全国区の問題になった方がいいのではないか、との提起です。
問題点は
①課題が生じると「協議会」が作られ、共同管理の形をとる
②協議会名で「協力金」に類した名目の、料金ではなく「寄付金」を取り始める
このパターンが定着し始めたところにあると思います。必要が生じるたびに公金のような顔をして別途金を集める。その金の管理を第三者機関がきちんと細かくチェックするシステムは、ない。
原因は、仕事と金について誰も責任をとる必要のない「協議会」の濫用であり、かならずしも世界遺産管理のノウハウを持たない担当者が集まって管理の方向性を決めているところにある。
解決法は、管理能力をもった一元的管理機関を作ることだ。
という主旨の2pです。
さっそく海猫の黒さんからもっと鋭い指摘のメールが届きました。
屋久島の問題としても大切ですが、他の地域で自然施設の管理方法を検討されているところに対して、参考になればという思いです。
今日はここまで。
« 樫村ブログ「うまくなりたい」 | トップページ | 宮之浦岳の情報が途絶している »
「屋久島本の世界」カテゴリの記事
- 『屋久島の自然図鑑』神嵜 真貴雄著(2015.04.29)
- 『ネイチャーガイドと歩く屋久島』 ブルーガイド(2011.07.11)
- 『屋久島ヒトメクリ』5号発行(2011.06.18)
- 「屋久島」 大沢成二写真集 出版(2011.04.27)
- 『屋久島ヒトメクリ』4号 2011.1.18(2011.01.19)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
早速熟読いたしました。もっともな論点であります。
そもそも、山は金のとれるところだというわけのわからない感覚が各地に蔓延すると怖いのですが、(仮に取るということを是としても)その前にどう効率的に集めて、どう効率的かつ効果的に使うのかという問題を決めておかないといけません。
あえていいますが、金をとるなら「ヨソ者が来るから金を取れ」ではなく、「お客様にどう気持ちよくお金を払っていただいていただくか」「適正な監査を受け、必要な納税(または納税しない確認を行うか)」です。
(リーダーが不在の状態でハゲタカのようなムシリ合いをやっている現在は、もちろんそれ以前の論外の状態であります)
ということで、私ももうこれくらいで・・・
あちらこちらでの冷静で深い論議を期待いたしましょう。
投稿: 海猫の黒 | 2010.06.20 23:18
小笠原ではヤマケイ売ってないから、
さっそくネット注文して、入手しなくちゃ。(笑)
うまく行くと
こちらも世界自然遺産になるかもしれません。
参考にさせていただきます。
投稿: マルベリー | 2010.06.21 08:02
マルベリーさん、ご笑読くださいましたでしょうか。
投稿: mosfo3 | 2010.06.29 09:26