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2010.12.18

奄美大島で沢登り!

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12月9~13日、奄美大島の瀬戸内町観光協会のお招きにあずかり、小原と樫村の二人組で陸域のガイド研修の講師をつとめてきた。いろいろな意味でとても印象深い日々になったが、なかでもハイライトは12日に訪れた嘉徳川エリアだった。

嘉徳は名瀬―古仁屋を結ぶ国道からすこし外れたところにあり、太平洋側の大きな入り江に独立している。大島の中でも陸の孤島といった趣のあるところだ。

入り江の奥が大きな素晴らしい砂浜になっている。護岸はなく、アダンとモクマオウの海岸林が海と陸とを隔て、背後にこぢんまりとした集落がある。

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嘉徳川は村をすりぬけて背後に広がる森へと、しだいに深く切れ込んでゆく。地形図を見るとけっこう複雑に屈曲していて、いかにもなにかありそうな様相だ。

ガジュマルやオオタニワタリ、シマサルスベリなど、亜熱帯渓谷の常連が目立つ。崩壊あとには屋久島にはほとんどない素晴らしいヒカゲヘゴがそびえたつ。さすが奄美、という雰囲気だ。

全体の渓相は屋久島低地の谷とよく似ている。岩は四万十層堆積岩だ。水量はいい感じで多く、流域の森の大きさを感じさせる。「屋久島の女川と鈴川と川原北谷を足して3で割ったようですね」 と樫村。確かにそんな感じだ。

11月の大雨の影響はどうだろうと心配していたのだが、増水の形跡はあるものの意外と荒れていない。全日程をアテンドしてくださった富岡さんは、もっといい雰囲気だったんですけどね、と残念そう。いわゆる亜熱帯の、ああいう雰囲気が濃かったんだろうなあ。屋久島からゆくと、このくらいの増水や岩の洗われ具合はまあ普通に見える。屋久島の増水って、まったくどんだけなんだろう。

期待通り滝が出てくる。3~5m程度の低い滝だが、どれも釜が大きく立派で、側壁をへつって登れるのが嬉しい。

樫村は大喜びで、登ったり降りたり、メガネを落として潜って回収したり(笑)と大活躍だ。

荒れた谷特有の砂利や泥に埋まった感じはなく、岩盤と大岩が健康な渓谷を作っている。あちこちで水際の岩の先に、黒豆状のフンがかたまって落ちている。富岡さんによると、これこそが国の特別天然記念物、アマミノクロウサギのフンである。

クロウサギはなんといっても奄美の自然を代表する存在だ。一般に奄美大島では、生息数の多いのはススキ草原だ、という話をよく聞くし、実際観察が多いらしい。でもススキは伐採跡の植物にすぎず、本来の生活の場所はそこではないはずだ。

この嘉徳川の川に出没するクロウサギは、暗い原生林の中で生きている。これが本当だろう!という気がする。

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流れの島の岩にフンがある。クロウサギはのこのこ歩いているイメージがあるが、こんな沢を飛び渡ったりするのだろうか?

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フンにはキノコが生えたり、・・・ヒトヨタケの仲間か?

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カビがおおったり。・・・ケカビかな?

滝は、多くはない。岩盤が発達した部分は歩きやすく、また洪水の後だからかもしれないが、フェルト底でなくともそれほど滑らない。長靴でもなんとかなる。

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これはマリンステイション奄美の小森さん。沢登りデビューだが、長靴で滝を登攀している。

亜熱帯の気が満ちる深い谷を、奥へ奥へと詰めてゆくと、突然大滝が現れる。秘瀑ウシヌトリゴモリだ。高さ18mほどか。大きな釜に落ちる水量豊かないい滝だ。

またもや樫村が健闘。ここで滝うたれをしたのは有史以来初ではないか、と奄美チームが笑いながら評価した。

この日はここから右岸の古道に入って、若干肝を冷やしながら下山。いい谷だ。この嘉徳川には、奄美大島の自然のシンボルがすべてそろっているような気がする。

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お、奄美のtomizoさんもエントリーした。
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