屋久島エコツーリズム推進全体構想の動向 tweetのまとめ
(以下2月2日ころtwitterに流したつぶやきのまとめ。少し書き足した。)
屋久島のエコツーリズム推進全体構想。縄文杉の利用調整に対して観光協会が強い不安を持っており、絶対反対の方向に向かいつつある。
屋久島エコツーリズム推進全体構想(素案)⇒こちらからダウンロードできます。
「縄文杉登山を規制などしてしまったら客が減るに決まっている、というストレートな反応が出ている。
しかし、屋久島の観光業界全体で、屋久島観光の現状や、マーケット動向を正確に把握出来ている人は、極めて少ないように思われる。分析もほとんどされていない。
島外からの、あるいは「上」からの縄文杉の過剰利用を懸念する声は強い。
しかし、現実的に考えて、一日平均300人程度、瞬間最大風速が一日1000人程度なら、いくつかの工夫で問題ないレベルに緩和できるという意見も多い。
その方法とはたとえば、①登山道の複線化 ②第2大株歩道の設置 ③シャトルバスを使った利用人数または時間帯のコントロール といったもの。
ところで、本来この構想の目的は、「エコツーリズムは屋久島にとってなぜ必要で、どのように推進してゆくべきか」を島内で共有することだったはずだ。
そのために問題点があれば、改善してゆこう、という方向性から縄文杉の混雑が問題になっていたはずなのである。
しかしそんな視点はもはやどこかへすっ飛んでしまている。
今もめているのは、縄文杉の制限人数が420人は多い、いや少ない、から始まって、「みすみす客を減らせというのか!」対「もう決まったことなんだから『義ヲイウナ』!」という感情的なぶつかり合いの気配が濃いのではないだろうか。
環境省ではなく、率直に言って屋久島町環境政策課のかじ取りが拙劣すぎるように思われる。
屋久島町の行政組織で特徴的なのは、環境政策課だ。この中には生活環境係と自然環境係などがあり、世界遺産関連の仕事は、この自然環境係が担当している。一方で観光を推進を担当するのは、商工観光課の観光係だ。
問題はこの二つのセクションがほとんど連携していないところにある。
エコツーリズム関係は環境政策課の所管になっているのだが、利用者の視線に立つことは難しいようだ。
したがっていま必要なのは、く屋久島町が組織を改編して、商工観光課に自然環境係を合体させ、「エコツーリズム推進街づくり課」を作ることだと思う。
ここに町の中堅・若手エースを集め、外部からも人材を集め、エコツーリズムを根本理念においた地域振興をはかるべきなのだ。
疲弊した農林水産業、
ばらまき頼りで干上がりつつある建設業、
もともと弱体な製造業、
外貨獲得が生命線の第三次産業、
世界遺産という鮮烈なブランド、
屋久島を巡る国内や世界の動き、
外部から流入する若い人口
稀に見るほど良質な観光客層、
30万人程度という実に適正な観光規模。
こう見てくると、屋久島町が持つカードは多くはない。かしかじ取りさえ間違えなければ、相当な力を発揮する可能性も高い。
今年行われる町長選、来年の町議会選で、このあたりが論点になってくるなら、屋久島の将来は決して暗くはない。
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