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2011.07.25

エコツーリズム推進協議会の変な文書と「承認ハガキ」への意見

平成23年7月19日付で、屋久町エコツーリズム推進協議会から登録ガイド各位あてに文書が届いた。⇒「1107bukaiii.pdf」をダウンロード

屋久町エコツーリズム推進協議会の事務局は屋久島町環境政策課である。先日、長い検討の果てにようやくまとまった「エコツーリズム推進全体構想案」は、屋久島町議会で全会一致で採択を否決されるという、前代未聞の結果に終わった。

マスコミ各位はこれを 「屋久島は、縄文杉の保全より、観光利益を選んだ」というふうに、報道したのは記憶に新しい。「馬毛島の基地の補助金欲しいので反対しよう」の件と並んで、新たに屋久島の名を全国に知らしめたところである。

しかし傍聴に行ったわけでもないので、一町民の立場では、実際に議会でどのような議論があったのかはさっぱりわからなかった。

この文書はその説明のためのものだろうと思ったのだが、そうではなかった。

文書の内容をまとめると、こういうことだ。

「町議会で否定された「素案」の、全体構想策定部会委員や作業部会委員の人選について、一部議員(町議員のことと思われる)や観光協会員等から批判があった。ついては下記の現委員を作業部会委員として承認するかどうか、ハガキに記入して返送するように」

ということで、ガイド登録・認定制作業部会委員、それから西部地域の保全・利用作業部会委員の一覧が記されている。

(全体構想策定部会委員にもクレームがついているのだが、そっちはどうなったのか。)

 

この主張と欲と感情のいりまじる混乱しきった状況を、島外の人に説明する能力は私にはない。

筋としては、協議会がそれにふさわしい人を委員として委嘱し設けるのが、各種作業部会なのであり、任命権は協議会にある。それを一部の議員や観光協会会員等が批判したからと言って、なぜその作業部会の作った登録制度によって生まれた登録ガイドに、その承認を求めるというような話になるのか。

おそらく、その「一部の議員」や、「観光協会会員」の主張が、議会の圧倒的否決を盾にして、無理が通れば道理が引っ込むくらいの勢いになっているのだろう。

(ちなみに、エコツーリズム推進全体構想の否定を主導した議員たちは、馬毛島の基地化に賛成した議員たちと顔ぶれがかぶっている。)

全体構想そのものを否定することに成功すると、この人たちはさらに矛先を登録・認定委員会と西部地域の保全・利用委員会に向けたということだろう。

これまでのさまざまな経緯から考えると、要するに認定制度にしても西部の利用にしても、ガイドの質を問われれないように骨を抜いておきたい、ないし自分たちが思うように主導したいということだろう。

それは、屋久島が今後どういう観光地を目指すのか、という観点から考え、検証すればいいことだと私は思う。

さて、というわけで、作業部会委員を一登録ガイドが承認するかどうかなどというのも、極めて筋の通らないおかしな話だし、環境政策課や町長にはもっとすじを通して頑張ってもらいたいところだが、この際仕方がないので、意見はハガキに書いて送ることにする。

 

現作業部会委員を承認する。

これまでの議論の効率の悪さには大いに思うところはあるが、それは事務局の責任が大半で、委員の多くは屋久島の将来に対して責任感を持ち、忍耐強く検討を続けてきた。その結論にも大きな誤りはない。

以下は付帯意見。

屋久島登録ガイドを規定する「屋久島ガイド心得」は、ガイドの責任・自覚・役割をうたっており、そのために地域から信頼される存在でなければならないのは当然である。

作業部会委員の人選には、確かに行政側の恣意的なものがあったと思う。制度や方針が説得力を持つためには、委員にはそれなりの資格が必要だろう。

私の考える両作業部会委員が満たすべき資格は次の通り。

①ガイドの代表として、責任ある任務をこなしていること。観光協会ガイド部会長・副部会長・運営委員等はこれに当たるだろう。任務を無責任にすっぽかすような者は当然不適当。

②屋久島の未来を見越してエコツーリズムの在り方、ガイドの在り方の将来像を描くことのできる専門性を持つこと、またガイドとして自然環境への影響を判断することのできるプロフェッショナルであること。

③地域の中で、信頼を得、説得力を持つ人材であること。現状ではガイドの屋久島地域内での地位は高いとは言えない。ガイドの地位を上向けるためには、人品に問題のない、潔白な者でなければならない。

なお、環境政策課と議会事務局は、先般の「エコツーリズム推進全体構想」案が、どのような経緯で否決されたのか、議員実名入りで、詳細を明らかにしてもらいたい。本来このような文書を送りつける前に、現状の情報提供をするべきなのだ。

以上。

(この件はもっと慎重に論考すべきだと思うが、なにしろ観光地屋久島のハイシーズンなので、これで勘弁してもらいたい。真意を汲んでいただければと思う)

 

 

 

 

 

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コメント

「エコツーリズム推進全体構想」はすでに議会で否決されたのに、住民アンケートを取ったり、ガイド登録・認定制作業部会委員、それから西部地域の保全・利用作業部会委員の承認を取ったり何の目的で屋久島町環境政策課が動いているのか分からない。

「馬毛島の基地化に賛成した議員たち」と言っているが実際に賛成した議員はいない。反対理由が明確でないことと、防衛庁から未だ何の説明も無いので反対議案が空論であるとの理由から賛成ではないと聞いている。

屋久島が世界遺産を受けた当初から、エコツーリズムを推進することは、旧上屋久町、旧屋久町ともに、町の方針として明快にうたっているはずです。それがなぜ全会一致で否決されたのか。まずその経過説明を聞きたいものです。

また否決するならするで、別の島内観光に関するビジョンを議会は示すことができるのか。それともエコツーリズムを完全に否定するという話なのか。

縄文杉の人数調整など、大した問題ではありません。

いまの日本の大変な状況の中で、観光面で屋久島が志向すべきだったのは、「名実ともに国民の心の救済と、癒しの地にする」という戦略だったはずです。

それがこともあろうに人数制限を縄文杉を金に変えようとしているという印象を全国に与えてしまった。

その上、馬毛島には補助金のおこぼれが欲しいがために基地に反対するポーズをとるという「卑しい」イメージを全国に広めてしまった。

いずれも「世界遺産」の持つ高い精神性を台無しにしかねない、議会の大失点です。


「エコツーリズムを推進」と「エコツーリズム推進全体構想案」とは別の論議です。

「エコツーリズム推進全体構想案」は協議会が提案して、議会に審議を委託したのです。
議会は審議する機能なのです。

議会の経過を知りたければ、議会議事録を見てください。公文書として記載されています。
議会の決議は賛成か反対の表決です。

下記は個人の考え方です。

「「名実ともに国民の心の救済と、癒しの地にする」という戦略」とは誰が決めたのでしょか。

1市3町皆補助金はいらないと声明しているのです。
「卑しい」イメージを全国に広めていませんよ。
見上げた心を表明されています。
後から補助金を下さいとか1市3町の補助金分配でもめることのほうが卑しい。
「1市3町皆補助金はいらないと声明」これには
国も財政難の折ですから助かります。


小川さんという方を私はよく知らないのですが、どなたですか?

手短かに自己紹介でもしてもらえませんか。

馬毛島の基地化には賛成、エコツーリズム推進全体法案を否決した議会は支持する、という立場の人だという理解でいいですか。

「小川さんという方を私はよく知らないのですが、どなたですか?」この質問の回答は難しい。
私自身、私がどなたか知らないのです。

ブログ 屋久島高平窯で検索してください。
これを見ると、個人情報を公開しています。

「馬毛島の基地化には賛成、エコツーリズム推進全体法案を否決した議会は支持する、という立場の人だという理解でいいですか。」についての回答は31日の屋久島高平窯のブログで「屋久島でやらせアンケート」に記載されています。


今回も、大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。
今日から仕事に戻りましたが、職場の友人に「つきものが落ちたみたいなすっきりした顔しているよ」と、言われました。(笑)
また、屋久島を訪ね、皆さんと過ごせる日を楽しみにしています。
被災地のみんなが、そして、それぞれの場所でそれぞれに戦っているみんなが、幸せに、穏やかに暮らせますように。祈っています。

自分の憶測で記事を書いてはいけません。
何故、議会がエコツーリズム推進法を否決したか、傍聴にも来ないで無責任な発言はいただけません。
全会一致です。決して馬毛島問題に反対した議員が先導したのでもありません。
全体構想の細則が不十分であるからそこを手直ししなさいというのが議会の主張です。罰則のある条例が不公平があってはならないからです。「事務局は反対した議員の名前を公表すべき」とありますが、私もその一人です。
議事録は公開しています、ご覧ください。

これは小脇議員、直々のコメントありがとうございます。議長職はいかがなされましたか?

私は特に公には意見発表の機会のない一町民につき、ブログでの多少の放言など、どうぞご寛容ください。

私は観光の島屋久島でエコツアーガイドをしていますので、シーズン中は多忙ゆえ議事録を拝見しに行くヒマがなかなかありません。また屋久島はすでに全国からその動向を注目されている、エコツーリズム推進のトップ地域の一つです。ぜひネットで議事録を公開するなど、便宜を図ってくださるよう、御取り計らいいただければ幸いです。

議事録を拝見したうえで、私の記述に問題があれば、このブログ上でその旨発表いたします。

私の議長職については、議会内部の出来事です。あなたには何の関係も無いはず。怒りを煽るような文言はどうかと思います。「馬毛島」に基地が出来れば、自然遺産の登録が抹消されます。また私達が抹消の申請をします。などこの人たちの集会に参加して、あまりの馬鹿馬鹿しさに途中退席して、その運動を揶揄して書いた記事を、三流新聞が興味本位に書いた記事だと思っていますから、議長職に執着はありませんがやめません。私達議会人は、執行部の不必要な無駄使い等は指摘しますが、予算の執行者ではありませんから、あなたが言うような金に執着して卑しく立ち回る必要はありません。
しかも馬毛島に賛成した数人の議員と指摘していますが、この数人ほど屋久島の未来を考えていると思います。
あなたの要望に答えられるか判りませんが、記事の中にお答えしておきます。

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