『おどろきの中国』 橋爪大三郎×大澤真幸×宮台真司
「そもそも中国は国なのか?」冒頭からこの根源的な問いを掲げる、破天荒な鼎談本。
昨年の雲南、今年の吉林省延辺朝鮮族自治州を訪れて、感じていた疑問がかなり氷解したような気がする。
「国」などという概念が誕生するはるか以前から存在したこの巨大な国が、どのような特質を持ち、それが日本の常識だけではとても把握できないものであること、何代にもわたり異なる王朝が交替しながら、それでも全体として連続性が維持されたのはなぜなのか、それを支えた儒教の意味について、毛沢東までの近代、毛沢東以降の現代。
ズバリ理解できたような気になっている。視界がぱっと開けたような気がする。名著の特徴である。
しかしあまりにも巨大な知識を3人が対話を通じて伝授してくれるもので、正直なところまだ消化しきれずに茫然としている。もう少しいろいろな面から反芻してみなくては。
なぜ日中関係がこんなにも混迷しているのか、これから中国をはじめとする隣の国々とどうお付き合いしてゆけばいいのか、知りたい人、考えたい人にお薦めしたい一冊。
最近のコメント