屋久島史上最強の男、荷物は180kg!
屋久島最強の男の記録。出典がどこだったのか、ようやく再発見した。
『屋久町郷土誌第一巻村落誌上』栗生村落誌 12林業・狩猟業(2)モチの生産
P163 「(栗生の)山崎常彦は、大変な力持ちで、三百斤(百八十㌕)背負ったことがあった。」
180kg。この常彦さんがおそらく屋久島史上最強である。
黒味川上流左岸、七五岳北西面の33林班に、上下5段の餅田跡が現在も残っているらしい。大正年間ここでトビウオ漁が終わってから年末までの半年間、総勢80名ほどの人が従事していたという。
「運搬人夫賃は一たる二十五銭、男で一日一円(米一俵十五円) 距離が遠く一日一回しか運べなかった。」
七五岳の麓から栗生まで、普通30kgのトリモチ樽を3~4個、90~120kg担ぎ下ろしていたのだ。しかし最強の常彦さんは、180kg、つまり樽6個を担いだ大力だった。
同時期に、小杉谷から楠川への屋久杉搬出(山稼ぎ)でも、20貫から30貫担いだという記録が残っているので、これくらいが屋久島の平均的な労働だったのだろう。凄いものだ。
ちなみに米の価格から換算すると、日当の1円(30kgたる×4個)はおそらく現在の1300~2000円程度。常彦さんの稼ぎは人の1.5~2倍で、最大3000円程になる。
これまた出典が不明なのだが、「宴席では力の強いものから上座に座った」という記述もどこかにあった。力=資産 だったのだなあ。いまもその気風は残っているような気もする。
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