エコツーリズムの動き

2015.03.20

2015.3.21 白谷線国立公園部分2車線化工事についての勉強会

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白谷雲水峡の国立公園内で、県道の2車線化拡幅工事が計画されています。これに対して、町内から検討を要するという指摘がなされ、現地検討会も行わるなど論議が活発になってきました。

これを受けて屋久島町は3月の町報に、『県道白谷雲水峡宮之浦線の改良計画に関する意見募集』というアンケート用紙を織り込み、町民から広く意見を求めています。

...

ただこの解答用紙は、選択回答なしの全面自由記載で、ほとんどパブリックコメントの募集になっており、この問題について勉強していないと、なかなか記入(というか執筆)しにくい内容になっています。

そこで、この問題の発起人である山下さんと手塚さんが、問題の共有を図るべく、明日高平で解説会を開催します。

内 容:道路拡幅工事計画について
  800m区間の自然と植物 
    スライドトーク「白谷雲水峡の魅力」 

日 時: 3月21日(土曜日)
昼の部 13:30〜15:30  モスオーシャンハウス
夜の部 19:00〜21:00  高平公民館

主催・連絡先: 
白谷線拡幅工事計画を学ぶ会  田中 ☎47−3389

お時間のある方は是非ご参加ください

2014.05.17

平成25年 縄文杉登山者数(3月~11月)

【平成25年 縄文杉登山者数】

(3月~11月 シャトルバス運行期間中)

縄文杉荒川口登山者数
67.682人(246.1人/日)

稼働ガイドのべ人数
5,635人( 20.5人/日)
   
縄文杉登山者のガイド利用率
51% 

※1、2、12月のオフシーズンのバス運休期間中はカウントされていないため、年間登山者数はさらに数千人上回ると思われる。
※バス大雨運休日は、6月に2回、9月に1回、10月に2回だった。

データは屋久島観光協会によるものを改変→

「25.xlsx」をダウンロード

2012.12.19

縄文杉の腐朽枝を補強する必要はない

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(このデッキの真上の大枝に、腐朽が発見された)

屋久島の森の荘厳さは、人為に関わらず、自然のままに長い年月を経たところに生まれる。

たとえ伐採されても、その後の年月によって破壊は癒える。「原生自然」に限りなく近い位置にあることが、屋久島の最大の価値であり、それが善意であれ悪意であれ人為が入ればその分、屋久島の森の真価は損なわれてゆく。
 
 
   
先日林野庁九州森林管理局が、縄文杉の大枝に腐食が見つかったと発表した。古い木になればそんなことは当然で、驚くほどのことはない。とりあえず、観察デッキの、枝が落下するの可能性がある部分を立ち入り禁止にするとのことで、なにか対応を考えるのだろうと思っていた。
 
ところが、林野庁は、縄文杉の大枝が落ちないようにロープで固定するのだという。これには大いに疑問を感じた。そんなことをする必要が、どこにあるのか。

デッキの立入禁止の状況はこちらでよくわかります。
⇒「ざるの洗い方」

続きを読む "縄文杉の腐朽枝を補強する必要はない" »

2012.12.07

青森県奥入瀬の『モスプロジェクト』について聞く

「青森県奥入瀬の『モスプロジェクト』について聞く」
 
12月13日安房公民館研修室 19:00~21:00


 
12月11日~16日、青森県奥入瀬のノースビレッジから丹羽さん、太田さんのお二人が、屋久島に研修に見えます。 ⇒ノースビレッジhttp://www.novi.jp/

 
この機会に奥入瀬エリアでいま取り組んでいる、コケを切り口にした新たなエコツーリズムの発展を進める『モスプロジェクト』や、十和田湖、奥入瀬エリアの自然観光の現状、そしていま始まった「奥入瀬自然観光資源研究会/隠花帝国プロジェクト」について、お話しをうかがいたいと思います。コケやシダの宝庫である屋久島としても、非常に関連性のある動きです。
 
   

面白そうだな、と思われた方、出方の多い季節ですが、どうぞふるってご参加ください。 なお、終了後は懇親会を予定していますので、こちらもぜひご参加ください。

2012.12.06

太忠岳の登山道

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太忠岳、釈迦杉の水場。水流のところのコケは、ヤクホウオウゴケの群落。
この場所は、以前からすると少々荒れた感があるところ。
水場では、ほとんどの人が無意識に小滝になってるところまで上がっていって水を汲もうとするんですね。足元で汲んだって同じことなのですが、どうしても人通りが増えると、裸地ができます。
 

     
 
 
 
登山道は、利用者の数によってコンディションが変化します。屋久島だと、おそらく年間利用者が数百人というあたりを境目にして、それより少ないとハイノキやヒサカキのヤブに埋もれてゆく、多いと度合いに応じて侵食が進行してゆく、ということになるようです
太忠岳の正確な登山者数はわかっていませんが、ここ10年くらいは、いつ登りに行っても(バイアスはあるはずですが、いちおうこれをランダムサンプリングと考えてみる)他のパーティーと会わないことがありません。すると私が2名、他に1名とすれば、1日3名は歩いていることになる。すると、少なくとも年間約1000名以上です。

登山道の全般的な状況は、このところ侵食が進みがちで、ところによって段差が大きくなり、歩きにくく、チョイ横に迂回ルートができたりしています。

観光協会のメンテナンス仕事でちょくちょく木段ステップや石積みがされたりして、道は維持されていますが、やはりルートぜん全体に侵食箇所が増えています。

縄文杉や宮之浦岳などメインルートでは、環境省/鹿児島県が早くから先手を打って登山道の木道・階段整備をしてくれてきましたが、この太忠岳やモッチョム岳など、その他の山でも観光オプション化が進むにつれて、状況が変わって来ているようです。

2012.08.27

ルール、マナー、ガイドラインについて

“ルール=規則、マナー=作法、ガイドライン=指針 (広辞苑)”

3月に行われた今年度の屋久島ガイド登録の第一回講習の際、屋久島町環境政策課の担当者から、「ルール・マナー」を決めたい、という発言があり、その素案のようなものを配られた。

あまりにも唐突な話だったので、まずその「ルール」と「マナー」の定義について質問したのだが、担当者は答えられなかった。そこでルールとマナーは全く違うものであることを話したが、同様の講習会が日時を替えて何回か行われており、それらでどのような話がされたのかはわからない。

このように、ルール、マナー、ガイドライン、全部意味が違うのに、なぜか屋久島では、ひとからげにして使おうとするケースが多いので困ることが多い。

ルールは規則であり、罰則が伴うこともある。明快な強制力を持つ法律や条例などの根拠を必要とする。

これに対してマナーは、作法、あるいは行儀のことで、ある行動や動作などの中で関わったり対面しりする相手に不快感を与えないための配慮だ。

屋久島の山岳部利用や観光に際してしばしば出てくる言葉だが、どうもおかしな使われ方をしていることが多い。気に入らない者に対して、なにかを強制しようとするときに使われるような、いやーなニュアンスを含んでいることが多いのだ。

こういう際の言葉の使い方は、いい加減であってはならない。誤解や恣意的な解釈を防ぐため、誰が見ても誤解しようのない、明快な意味が必要だ。

屋久島で自然の利用法の共通認識を作るには、自然公園法や森林法などのルールをはっきりさせた上で、慣例などは吟味して整理し、ガイドラインとするのが適当だと思う。つまりある目的を達成するために設けられる「指針」ないしは「基本方針」である。

なにか判断のしにくい問題が想定されるとき、基本的にはこれでいこう、実際の現場では経験則を活用してケースバイケースで判断しよう、というやり方がそれだ。

ルールはよく内容を確認のうえ、ガバナンスの意味で順守しよう、それ以外の行動はガイドラインによっておたがいうまく判断しよう。

それでいいではないか。

自然公園法や、森林法などのルールにも、不透明な部分や、おかしな慣例に流されているところはある。それはきちんと議論して解釈の幅を確認しておけばいい。

階段をどちらが先に登るのか下るのか、休憩場所が混雑する場合はどうすればいいか、他のお客さんに対して、ガイドはどういう態度をとるのがいいのか。意外とやっかいな現実的な問題をさばく、その指針がガイドラインである。

ルールでないことは、ガイドラインとして合意しておく。これにそって各自が判断する。他者の判断は基本的に尊重する。

「マナー」は作法であり配慮である。これをしなかったからといって、非難される必要はない。判断の幅があることを、マナーに反しているなどといって、一方的に非難されるなど、不愉快以外のなんでもないではないか。

フィールドをより良く利用するためにガイドラインを決めておく。

自然の中で必要なのは、自由に行動することの重要性を知ることだ。誰からもつまらないことを強制など断じてされたくない。

2012.06.21

雲南 白馬雪山国家自然保護区にゆきます  6/24~7/1

Photo

(写真は白馬雪山の氷河谷地形。昨年のスタディーツアーの報告から拝借しました。)
小原が日中市民社会ネットワークの主催で、雲南の白馬雪山国家自然保護区スタディツアーに行きます。

6/24 大阪⇒上海⇒昆明
6/25 昆明雲南大学で講演会「自然学校とエコツーリズム」 昆明⇒シャングリラ
6/26 シャングリラ⇒白馬雪山国家自然保護区キャンプ(車、徒歩)
6/27 白馬雪山カール地形体験ツアー 夜 研修Ⅰ「自然学校入門」(広瀬さん)
6/28 午前 研修Ⅱ「エコツアー入門」(小原)午後 キャンプ⇒梅里雪山明永氷河
6/29 梅里雪山 明永氷河ツアー ⇒徳欽県飛来寺
6/30 徳欽⇒麗江⇒上海
7/1 上海⇒大阪

白馬雪山は、雲南最大の自然保護区の一つで、動物も植物も種の多様性が桁違いに高いところ。こうやって書いているだけでわくわくです。

ホールアースの広瀬敏通さん、日中市民社会ネットワークの朱恵文さんと一緒です。

広瀬さんは言うまでもなく日本の第一人者ですが、私は海外で講演なんかするのは初めてです。はたして私などが雲南のみなさんのお役にたてるのか?

2012.05.02

縄文杉日帰り登山 2012.5.1.

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YNACではふだん日帰り縄文杉ツアーは行っておりません。この日は前日からの悪天と、日程上の都合から、特別に日帰りで縄文杉に行きました。

慣れない3時起きで、まだ暗い中、小原も比留間も頭をボーっとさせながら、6名のみなさんと一緒に、4:40始発のシャトルバスに搭乗しました(けっこう新鮮な気分です)。友人のガイドたちが何人も立ち働いています。

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順調に進んで10:30縄文杉に到着。写真など撮って下山にかかったころから、しだいに後続パーティーが増え、次々と・・・失礼ながら、尽きぬ浪のように押し寄せてきました。
登山道は完全に渋滞し、すれ違いもままなりません。
 

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長い列か途切れるのを見計らって、こちらの列が進み、また立ち止まり、の繰り返しで、よちよちと進み、全体となんとかすれ違い切ったのはウィルソン株のあたりでした。何人とすれ違うか数えてみようと思ったのですが、途中で挫折しました。総勢600人くらいだったのでしょうか?

 

それでもこの日は最大の混雑というわけではなかったようです。Ynacパーティーは無事16:30のシャトルバスに乗ることができ、17:15には屋久杉自然館シャトルバスターミナルに帰りつくことができました。

コースに混雑感があるのは、登山道が一車線(一人線?)であることが大きいようです。すれ違いがままならないことはもちろんですが、それ以上に精神的に苦痛なのは後続パーティーに追いあげられることです。

もちろん両サイドに余裕があれば除けて通すのですが、状況によってそうもいかない微妙な場合があるのです。そこで後ろの人からイライラした気を放たれると、本当に消耗します(笑)。精神的にある種の強靭さが要求されるといいましょうか、イナカ暮らしをしている身にはとこれはけっこうこたえます。

そんななかで、しかし、このルート上には秩序が保たれていました。

ツアーを先導するべテランガイドたちが、その場の状況を把握しながら、自分のゲスト以外のまわりの人たちにも、礼儀正しい言葉遣いで適切に指示を出し、円滑に動かしてゆくのです。混雑が指摘される縄文杉ルートにおいて、利用がうまく維持されているのは、少なからずそれはガイドの存在によるところが大きいようです。

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ただし、これはあまり言いたくありませんが、困りもののガイドも何人かみうけました。

混雑するなかで、大声で延々と自分の会社のことや、自分の半生などを演説し続ける者。ポイントにくるたびに大声で「解説」をわめく者。

こういうときはさっさと離脱したいのですが、混雑しているとそれもできないことがあり、ほとほと疲れます。

それから、通り過ぎる人にいちいちじろじろと値踏みするようにメンチを切ってゆく者、というのもいました。(この人はたぶんガイドだろうと思うのですが、確認できませんでした。)

もちろん自分のことより気になるのは、そういうガイドに以頼したお客さんが、それを喜べたかどうかでしょう。(これは自戒の念とともに。)

2011.11.04

入島料が抱える意味について

荒木耕治新屋久島町長が、縄文杉の利用制限の凍結と、入島料の新たな導入を語ったと、新聞各社が報道した。

屋久島町環境政策課が作った、縄文杉ルートの利用を1日最大600人~420人にする、という内容を含む「エコツーリズム推進全体構想素案」を、町議会が否決し、それをうけて、選挙を経たうえでの発言だろう。

縄文杉の利用調整の否定は、エコツーリズム法に基づく初の地域導入を目指した環境省のメンツを大きく損なわせるものともなり、なにかと話題になっている。

しかし、入島料問題のほうが根深いものを抱えている。

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2011.07.25

エコツーリズム推進協議会の変な文書と「承認ハガキ」への意見

平成23年7月19日付で、屋久町エコツーリズム推進協議会から登録ガイド各位あてに文書が届いた。⇒「1107bukaiii.pdf」をダウンロード

屋久町エコツーリズム推進協議会の事務局は屋久島町環境政策課である。先日、長い検討の果てにようやくまとまった「エコツーリズム推進全体構想案」は、屋久島町議会で全会一致で採択を否決されるという、前代未聞の結果に終わった。

マスコミ各位はこれを 「屋久島は、縄文杉の保全より、観光利益を選んだ」というふうに、報道したのは記憶に新しい。「馬毛島の基地の補助金欲しいので反対しよう」の件と並んで、新たに屋久島の名を全国に知らしめたところである。

しかし傍聴に行ったわけでもないので、一町民の立場では、実際に議会でどのような議論があったのかはさっぱりわからなかった。

この文書はその説明のためのものだろうと思ったのだが、そうではなかった。

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